アパレルの転写マークの作り方|カッティング転写とプリント転写の違いとは

&CROP編集部の野崎です。

服にオリジナルのロゴを入れる方法のひとつとして、「転写マーク」があります。転写マークは、熱をかけて生地にプレスすることでロゴを入れることができる手法です。縫製も不要で、生地にプリントをしたかのようなすっきりとした見た目になることから、スポーツウェアやアウトドアウェアに幅広く取り入れられています。

当社にも「転写マークを作りたい!」というお問い合わせをいただくことがあるのですが、実は転写マークには大きく2つの種類があることをご存知でしたか?事前に2つの種類の知識をつけておくことで、問い合わせやサンプル制作の流れがスムーズになります。そこで今回は、「転写マークを作ってみたい!」という方向けに、それぞれの種類や特徴、メリット・デメリットを分かりやすくご紹介していきます。

転写マークは大きく2種類

転写マークには、大きく分けて2つの種類があります。それが、カッティング転写と、プリント転写です。

カッティング転写マーク

カッティング転写マークとは、カッティングシートという1枚のシートを、レーザーカッターや刃が付いたカッティングマシンでカットして作る転写マークです。カッティングシートにもさまざまな種類があり、シートの種類によって転写マークもいろんな表現をすることができます。

カッティング転写の画像
カッティング転写

メリット

はっきりとロゴが転写できる

カッティングの転写マークは、プリントの転写マークと比べて、ロゴと生地の境目がくっきりとします。そのため、ロゴをくっきりとはっきり見せられることが特徴です。

厚みを出すことができる

厚みのあるカッティングシートを使えば、転写マークに厚みを出すことができます。ロゴに存在感が出たり、高級感のある仕上がりになります。

初期費用を抑え、小ロットで作成可能

型を作ったり、印刷版を作ったりせずに、マシンでカットしていくため、基本的に初期費用がかかりません。100枚の小ロットからでも作成可能です。

※厚みのあるカッティングシートで転写マークを作る際は、レーザーやカッティングマシンでは切り抜けず、抜型を作成する必要があることがあります。その場合は型代が掛かります。

デメリット

角があるデザインは再現できない可能性がある

角が尖っているようなデザインの場合は、レーザーやカッティングマシンの精度によって再現ができないことがあります。また、角が尖っていると生地から剥離してしまう可能性も高くなるため、あえて角を丸めたデザインにすることもあります。工場の設備や使用するカッティングシートによっても異なります。

小さいロゴや複雑な模様は再現できないことがある

こちらも工場の設備や使用するカッティングシートによっても異なりますが、小さなロゴや複雑な模様は再現ができないことがあります。データをお送りいただき、一度サンプルを作成したうえで、再現可能かどうかや調整の必要があるかを確認していきます。

基本は1色のみの表現

シートをカットして転写マークを作るので、基本的にはロゴはシートカラーの展開から選んだ1色での表現になります。

しかし、ブランドカラーに合わせて別注色のシートを作成したり、カッティングシートの上からインクジェットプリントを施すことで、多色の柄を表現したりすることもできます。

カッティングシートのバリエーション

通常タイプ

凹凸の少ない通常のカッティングシートです。色展開もあり、マットやツヤなど表面の質感を選ぶこともできます。

 

反射タイプ

光が当たると反射するリフレクタータイプのシートです。

カッティング転写(リフレクタータイプ)の画像
カッティング転写(リフレクタータイプ)
厚めタイプ

転写マークに厚みを出したいときに使われるシートです。

カッティング転写(通常タイプ)の画像
カッティング転写(通常タイプ)
(応用)カッティングシートの二層転写

下面に厚みのあるカッティングシートを重ね合わせ、二層にした転写マークです。正面から見ると1色ですが、斜めから見ると下面に使っているカッティングシートの色が見えて、より存在感のある仕上がりになります。

カッティング転写(二層)の画像
カッティング転写(二層)

プリント転写マーク

プリント転写マークは、透明なフィルムの上にロゴをプリントしていき、最後に糊を刷ることで、生地に転写できる転写マークになります。カッティング転写マークと違い、インクを刷って生産するのでインクを調色することでブランドカラーなどの指定した色に合わせやすいことが特徴です。また、多色刷りもできます。

※表現できる色数はデザインや工場によって変わります。

プリント転写マークの画像
プリント転写マーク

メリット

複数の色の表現ができる

カッティング転写マークと違い、色数を重ねることで1枚の転写マークに複数の色を使うことができます。プリント転写マークの中にも、スクリーンプリントとインクジェットプリントの2つの手法があり、使える色数や再現できる細かさについては、プリント手法や工場によっても異なります。

多色刷りのプリント転写の画像
多色刷りのプリント転写
比較的剥がれにくい

カッティングの転写マークよりも、比較的剥がれにくいことが特徴です。先述したように、刷ったインクの上から糊を刷って転写マークに仕上げるのですが、その糊がロゴよりも一回り大きく縁どられています。その縁があるおかげで、カッティング転写よりも剥がれにくくなります。

※一部縁取りが無いタイプのプリント転写マークもございます。

デメリット

ロゴがはっきりと出にくい

生地に転写したときにロゴがはっきりと出にくいことがあります。生地の種類や色によっても異なりますが、糊の縁部分が半透明のような色をしているので、その縁部分が見え方に少し影響することがあるためです。カッティングの転写シートよりもぼんやりとした見え方になってしまうことがあります。

厚みのある表現が難しい

基本的には厚みのある表現は難しいです。厚みのあるデザインが希望の場合は、カッティング転写マークのほうが向いています。

初期費用が掛かる

プリント用の版代が必要になるため、初期費用はかかります。プリントタイプの場合は使用する色の数だけ版を作成する必要があります。

生地に直接プリントをするのと何が違うの?

転写マークの場合、生地に直接プリントをするのと見え方としてはそんなに変わりません。しかし、プリント転写マークを使うことでのメリットがあります。

プリントを均一なクオリティに

同じマークをいくつかの製品に付ける場合、縫製工場が違うと、プリントのクオリティに差が出てしまうことがあります。転写マークの場合、一ヵ所でまとめて転写マークを生産し、それぞれの縫製工場で決まった位置にプレスをすれば取り付けができるので、どこの工場で転写しても、プリントの仕上がりとしては同じクオリティで仕上げることができます。

裁断生地の往復の手間削減

縫製工場にプリントできる設備が無い場合、裁断した生地を外注のプリント加工場に送り、プリント加工をして返送されてきたものを縫製していく必要があります。そうなると、往復の手間もかかりますし汚れの原因にもなりロスも増えてしまいます。

転写マークであれば、転写するためのプレス機があれば縫製工場で取り付けができるので裁断生地を発送する手間も無くロスも最小限に抑えることができます。

いろいろな転写マーク


カッティング転写マーク・プリント転写マーク以外の珍しい転写マークをいくつかご紹介させていただきます。

シリコン転写マーク

シリコン素材の転写マークです。成型したシリコン樹脂の裏に糊を付けて、転写マークとしてプレスします。シリコンならではの風合いと、厚みが出せることが大きな特徴です。しかし、厚みを出しすぎるとプレスの時に熱がしっかりかからないこともあるため、サンプルで接着強度などに問題が無いかよく確認することが必要です。

シリコン転写の画像
シリコン転写

3Dポリウレタン転写マーク

立体的なポリウレタン素材の転写マークです。こちらも凹凸を出すことができることが特徴です。また、作り方によってさまざまな雰囲気に仕上げることができます。

3Dポリウレタンワッペンの画像
3Dポリウレタン転写マーク

転写マークでよくあるトラブル事例

最後に、転写マークでよくあるトラブル事例をご紹介します。

細かすぎて再現ができない

細かすぎるデザインはうまく再現ができなかったり、再現できたとしても剥離が起きやすい原因となってしまいます。転写マーク工場と相談してデザインの一部を簡略化したり、太さを調節するなどしましょう。

剥離

剥離のよくある原因としては、生地との相性が悪いことや、転写時の温度・圧力・時間が不十分なことが挙げられます。生地との相性については、サンプルで接着試験を行い必ず確かめるようにしてください。特につるつるした生地や撥水加工がされた生地は剥離しやすいです。転写マークを作成した際は、その転写マークに合わせて接着条件をお伝えしています。必ず指定した温度・圧力・時間に合わせて転写するようにしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。転写マークと言っても種類があり、表現したいデザインや作りたいロットによって、おすすめしたい加工方法は異なります。この記事が少しでもこだわりをもったものづくりのお役に立てたら幸いです。

クロップオザキでは、転写マークをはじめとしたさまざまなアパレル資材の提案を行っています。「手配したいけど発注方法が分からない」「事前に相談してから選びたい」などお困りの方は、お気軽にご連絡ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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