織ネームの作り方と発注方法|初めてブランドネームを作る方への完全ガイド

&CROP編集部の野崎です。
ブランドの顔となる付属として、こだわりが詰まったブランドネーム。プリントで作成する方法もありますが、時間が経っても色が薄れないことや高級感があることから、織ネームを選ばれるアパレルブランドが多いです。しかし、デザインからサイズまでオリジナルで作成できるため、「どうやって発注をすればいいんだろう?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。今回は、織ネームを初めて発注する方へ向けて、基本的な発注方法と失敗しないための注意点を解説していきます。

織ネームとは?

ブランドネームは、大きく分けてプリントネーム織ネームの2種類があります。ロゴをプリントで表現するのがプリントネーム、織りで表現するのが織ネームです。

プリントの場合、プリント方法や使用頻度によっては使っているうちに色が薄くなってしまうこともありますが、織ネームはロゴが織りで表現されているため耐久性に優れ、時間が経っても鮮明にデザインを残すことができます。また、織りでロゴを表現することで、独特の高級感が生まれます。ロットが大きい場合はプリントネームよりも織ネームのほうが単価は少し上がりますが、ブランドの「顔」となる付属として、織ネームにこだわりを込めるアパレルブランドも多いです。

織ネームの画像
織ネーム
プリントネームの画像
プリントネーム

織ネームの発注で必要な5つの項目

織ネームの発注には、下記5つの項目が必要です。

  1. サイズを決める
  2. 仕上げ(折り方)を決める
  3. 織り方を決める
  4. 糸の色を決める
  5. デザインデータを用意する

ひとつずつ解説していきます。

1,サイズを決める

織ネームの形状や寸法はオリジナルで指定ができます。縦〇mm×横〇mmという形で指定してください。基本は四角形ですが、型を作成してワッペンのように指定した形状にカットすることもできます。

織ネームのサイズはさまざまですが、付けたときに違和感がないよう、縦1cm〜2cm×横5cm〜7cmほどの長方形にすることが多いです。コートなど直接肌に当たることがないアウターで、高級感を出したいブランドの場合は、あえて大きなサイズのブランドネームを作り、ネームの中にブランドのこだわりを込めることもあります。織ネームの費用は、サイズが大きくなるほど高くなります。

初めてブランドネームを作る場合は、既製品のネームを測ってみたり、サンプルの製品がある場合はネームに見立てた紙を切ってサンプルに置いてみたりして、イメージをつかむと良いでしょう。

2,仕上げ(折り方)を決める

ネームは、フラットな状態で完成させる場合と、折り加工を施す場合があります。折り加工の仕上げは、縫製したい位置や縫製方法によって異なります。

折加工の種類の画像
折加工の種類

フラット(折り加工をしない)

折り加工をしない場合は、四方を叩きつけたり、角4か所を縫い付けたりして製品に固定します。または、ネームを折り加工せずに納品し、縫製工場でネームを折って取り付けることもできます。縫製工場での折り加工を希望する場合は、事前に対応可能かどうか確認するようにしてください。

エンドホールド

ブランドネームとしては最もよく使われている折り加工です。ネームの左右を5mmほど折りたたんだ加工で、縫い付けたときにネーム面から縫製が見えないため、シンプルかつ美しくネームを見せることができます。どのようなアイテムにも使いやすい折り方です。

マイターホールド

マイターホールドは、ネームの左右を斜め折りにする加工方法です。テーラードジャケットやコートの内側など、エンドホールドよりも少し高級感や上品さを出したいときに使われることが多いです。また、ネームの角が斜めになっているため、着用したときに角が気になりにくいのも特徴です。

センターホールド

センターホールドは、ネームを中央で折りたたんで左右に縫い代ができるタイプの折り加工です。背中に使うブランドネームよりも、脇に付けるピスネームで使われることが多い折り加工です。Tシャツやパーカー・パンツの脇に挟み込んで縫い付けます。縫い代の中に挟み込むだけで取り付けられるため、縫製工場にとっても付けやすい折り加工です。

ブックホールド

ブックホールドは、センターホールドと同様にネームを中央で折りたたんだうえで、さらに左右の縫い代を5mmほど折りたたんだ加工です。センターホールドと同様に、脇に付けるピスネームで使われることが多いです。端が折りたたまれているためネームの端が表から見えず、生地に挟んで上から直線状に縫い付けることができます。アパレルではポケットに挟んで縫い付けたり、小物ではブランケットやポーチなどに使われることもあります。

折り方の選び方まとめ
取り付けたい場所おすすめの折り方
製品の裏側・後ろに縫い付けたいエンドホールド・マイターホールド
脇やポケットに挟み込んで使いたいセンターホールド・ブックホールド

 

3,織り方を決める

織ネームの織り方は、大きく2種類あります。

シャトル織

シャトル織とは、昔ながらの織機でゆっくりと織り上げる方法です。風合いが柔らかく、シンプルな柄や文字の表現に向いているため、ヴィンテージ感やクラフト感を出したいブランドにおすすめです。一方、細かい柄の表現は難しいです。生産に時間はかかりますが、レピア織よりもコストを抑えることができます。

シャトル織の画像
シャトル織
シャトル織の画像(拡大)
シャトル織 拡大①
シャトル織 拡大②の画像
シャトル織 拡大②

レピア織

レピア織とは、現在主流となっている織り方で、高速で織り上げる方法です。シャトル織よりもシャープで細かい表現が得意なため、細い文字や複雑なデザインも表現しやすいです。シャトル織よりもコストは若干高くなりますが、生産効率良く細かいロゴを表現できるため、品質とコストのバランスが取りやすい織り方です。

レピア織の画像
レピア織
レピア織 拡大レピア織 拡大画像
レピア織 拡大①
レピア織 拡大②の画像
レピア織 拡大②
レピア織による細かい柄表現の画像
レピア織による細かい柄表現

4,糸の色を決める

糸の色は糸のサンプル帳から選びます。どのメーカーの織り糸を使っているかは工場によって異なりますので、依頼する工場にサンプル帳を見せてもらい選びましょう。PANTONEやカラーコードでご指示いただくこともありますが、展開している織り糸のカラーは限られており完全に一致させることは難しいため、サンプル帳から選ぶのが確実です。

織ネーム 糸サンプル帳の画像
織ネーム 糸サンプル帳

選んだ糸の色と実際の見え方は異なる場合がある

織ネームは、経糸と緯糸でできています。経糸は白か黒の2色から選び、緯糸を好みのカラーに指定して柄を表現します。そのため、同じ緯糸のカラーを指定した場合でも、経糸の色を白にするか黒にするかによって見え方が変わります。必ずサンプルを作成して、事前に色を確認するようにしてください。

経糸の違いによる見え方の違いの画像
経糸の違いによる見え方の違い

金・銀の糸も使用可能

金色や銀色の糸もお選びいただけます。ラメの糸が入ることで、さらに高級感が増します。ただし、金糸・銀糸を使用する場合は、通常カラーの糸と比べて細かいロゴが見えにくくなりますのでご注意ください。また、肌に直接当たる部分にネームを取り付ける場合、金糸・銀糸を使うと肌当たりが悪くなる(チクチクする)ことがあります。

金糸・銀糸の画像
金糸・銀糸

5,デザインデータを用意する

ロゴのデザインや寸法指示をわかりやすくまとめたデザインデータを用意します。基本的にはIllustratorで作成したPDFデータ形式でご用意ください。Illustratorでのデータ作成が難しい場合は、データ作成から工場に依頼できる場合もありますので、まずはご相談ください(依頼する工場によっては、有償対応となる場合があります)。

1〜4の指示とデザインデータを1つのPDFにまとめておくと、よりスムーズに進められます。データ作成用のフォーマットをご用意しましたので、ぜひお使いください(当社以外にご相談される場合にも活用いただけるフォーマットです)。

織ネーム発注フォーマット 使用例の画像
織ネーム発注フォーマット 使用例
  • ファイル名:woven_label_ordersheet
  • ファイル形式:PDF(Illustrator2026で作成)
  • ファイルサイズ:410KB  
※クリックするとダウンロードが開始されます。

デザインデータを作るときの注意点

ここからは、工場に依頼するデザインデータを作成する際の注意点を2つご紹介します。

細かすぎるデザインは表現が難しい

織ネームは織りでデザインを表現するため、プリント手法と比べて細かいロゴの表現は苦手です。比較的細かい柄表現が得意なレピア織でも、文字サイズ1mm以上・線幅0.2mm以上は確保するようにしてください。

レピア織の細かいロゴの画像
レピア織の細かいロゴ

レピア織で白地に濃色ロゴを入れる場合は必ずサンプルで確認を

レピア織で白地に黒・赤・ネイビーなどの濃色ロゴを入れる際は、白地の裏側が濃色になるため、表から色が若干透けて見えてしまいます。白地に黒文字の場合は、白地が真っ白に表現されずグレーがかって見えることがあるため、必ずサンプルで仕上がりを確認してから量産に進むようにしてください。

レピア織 白地に黒ロゴのネーム画像
レピア織 白地に黒ロゴのネーム

織ネーム発注前に知っておきたい3つのこと

最後に、織ネームを発注する前に知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

型代がかかる

織ネームの作成には、初期費用として型代がかかります。型代とは、指定したオリジナルデザインで織るためのデータ費用のようなものです。依頼する工場やネームのサイズによって異なりますが、2万〜4万円程度を目安にお考えください。

サンプル確認は必須

織ネームは織りでロゴを表現するため、入稿データの精緻なロゴイメージよりも仕上がりが少し粗くなることがあります。プリントネームよりも「思ったイメージと違う」となりやすいため、必ずサンプルを作成してから量産に進むようにしてください。

納期には余裕をもって

織ネームの発注は、余裕をもって進めるようにしてください。工場の混雑状況や量産枚数によっても異なりますが、サンプルで約3〜4週間、量産で1.5か月程度を目安にスケジュールを組むと良いでしょう。


まとめ

今回は、基本的な織ネームの作り方・発注方法・注意点をご紹介しました。ネームはブランドの「顔」と言われるほど重要な付属です。ぜひ織ネームでブランドのこだわりを表現してみてください。

&CROPを運営しているクロップオザキでは、織ネームのご相談・ご依頼を承っております。「相談してから決めたい」「織ネーム以外の資材も相談したい」「ブランド立ち上げにあたって資材を一通り手配できる先を探している」という方は、お気軽にお問い合わせください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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