初心者必見!グラム・オンス・匁・号、重さや厚みを表す単位を知ろう。

 

&CROP編集部の瀧澤です。

生地の目付単位当たりの重さを指す用語で単位にはg(グラム)・oz(オンス)匁(もんめ)があります。また帆布では生地の厚みを表す単位として号数表示が用いられています。通常国内では一般的に1平方メータ当たりの重さをグラム数で表すg/㎡や、生地の巾なり1mあたりの重さを表すg/mが用いられることが多く、この2つの違いさえ知っていれば通常の業務ではほぼ事足ります。でもそれだとこの記事もあと3行くらいで終わってしまうので、今回はシルクの生地で現在も慣習的につかわれている匁(絹素材)や、帆布の号数、デニムのオンス表示などについての成り立ちや背景を含めて解説しています。こうした背景を知っておくことで様々な生地への理解がより深まると思うので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

生地目付の基本、「㎡目付」と「巾なり目付」

はじめに書いたように国内で流通している生地の重さ(目付)は現在では「1平方メートル当たりの重さ(グラム数)」「生地の巾なり1メートル当たりの重さ」で表記されることが多いです。

㎡目付

㎡目付は生地1平方メートル(1m×1m)当たりの重さ(グラム数)g/㎡で表記されます。1平方メートル当たりの重さが200グラムなら

200g/㎡ 

ここまでは小学校3年生レベルの私にも理解できます。

巾なり目付

こちらは生地の巾なり、「生地巾が110cmならば1.1m×1m当たりの重さ」・「生地巾が150cmならば1.5m×1m当たりの重さ」を表します。

生地の重さが300グラムの場合どちらも 
300g/m

の表記となり、巾なり1mの重さが300gなら、生地巾110cmでも150cmでも同じ300g/mの表記になります。

 

なぜ、2種類の表記があるのか?

一般的に考えると2種類の表記あると混乱するので㎡目付に統一した方がわかりやすい気がします。しかしそれぞれの表記には実務的なメリット・デメリットがあるため両方の表記方法が混在しているのだと思われます。これは日本の繊維業界あるあるで、糸の太さの単位を国際単位の「テックス(tex)」に統一する動きが1978年の導入から進まないのと同様で、素材ごとに従来の商慣習が深く根付いていることが大きな要因と思われます。

糸の番手については下記の記事も参考にしてください。

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「㎡目付」と「巾なり目付」のメリット・デメリット

㎡目付の一番のメリットは1㎡当たりの重さに統一されるので生地の重さの比較がしやすい事です。デメリットは生地の種類によっては正確に1m×1mにカットして計測するのがちょっと難しい点です。

巾なり目付のメリットは計測がし易いことやメーター数をかければ簡単に1反の重さが分ること、デメリットは重さを比べる時に㎡目付に換算しなければならない点です。

換算方法

前述のような理由から表記が混在しているため、巾なり目付から㎡目付を出す換算方法が日常的に用いられています。

巾なり目付(g/m)÷ 生地巾(cm)× 100 = 目付(g/m²)

生地巾150cm、巾なり目付285g/mの生地であれば、285 ÷ 150 × 100 で190g/m²になります。

デニムやTシャツに使われるオンス(OZ)表記

カジュアルウェアの代表であるデニムやTシャツはアメリカが発祥なのでヤード・ポンド法の重さ単位(オンス)がそのまま定着し国内でもオンスで表示されることが多いです。

オンス(ounce, 記号:oz)は、1平方ヤード(0.9144×0.9144)あたりの生地の重さを表します。1オンスは約28.35g1平方ヤードは約0.8361m²なので1oz/yd²は約33.9g/m² 従って1oz/yd² =33.9g/㎡で換算します。

g/m² ÷ 33.9 = oz/yd²

oz/yd² × 33.9 = g/m²

先ほどの190g/m²であれば、190 ÷ 33.9 で約5.6oz/yd²になります。ただしオンス表示は基本1平方ヤードと決まっているので通常は5.6ozと表記します。

また、デニムを専門に扱っていないアパレルメーカーでは、オンスだけだと厚みの見当がつきにくい場合もあり、また仕様書や商品表示では、分かりやすさのために190g/m²(5.6oz)のように併記されることもあります。

oz

g/m²(約)

主な用途

3.5~4.0

119~136

3.5ozのデニムはシアーデニムとも呼ばれる軽く柔らかいデニムで、シャツ・ワンピース・チュニック・イージーパンツ等が主な用途です。Tシャツでは吸汗速乾などの機能を持った合繊系の薄手のライトウェイトタイプになります。

5.6~6.0

190~203

Tシャツでは5.6~6ozは最もよく使われる標準的な厚みです。デニムとしてはライトウェイトデニムとしてシャツ・ワンピース・スカート・ワイドパンツ・子供向けのパンツの他、小物やインテリアなどに使われます。

7.0~9.0

237~305

デニムの7~9ozはまだライトオンスと呼ばれ、用途はシャツ・ワンピース・春夏用ジーンズ・ショートパンツ・子供服・インテリア小物などです。Tシャツでは6オンス以上はしっかりした厚みで7~9オンスはヘビーウェイトに分類されます。

10.0~12.0

339~407

10~12オンスのデニムはレギュラーオンス(中厚手)に分類され、オールシーズン着回ししやすく、ボトムから幅広い用途まで使われます。また10オンスを超えるTシャツはかなりヘビーウェイトになり一般的ではありません。

14.0~16.0

475~542

ミドル〜ヘビーオンスデニムに分類され本格的なジーンズやワークウェア・アウターなどに使われます。

16.0~

542~

16オンス以上はヘビーオンスデニムと呼ばれます。厚みと耐久性があり、頑丈なワークウェアやバイク用のライディングパンツ、小物やバッグなどにも使われます。

匁(もんめ)とは

日本では1958年末に一般の取引での使用が禁止されるまでは尺貫法が用いられて来ました。尺貫法の重さの単位1貫は、穴の開いた一文銭1000枚を紐で貫いた重さ(3.75kg)を表し、一文銭1枚の重さ(3.75g)を一匁としていました。現在でも絹(シルク)生地は慣習的に匁で重さ(厚さ)を表記する習慣が残っていて93cm×93cmの生地の重さを匁で表します。16匁のシルクであれば、93cm角に切り出した時の重さが16×3.75で60g。1m²あたりに直すと、16匁は約69g/m²になります。

 1匁 ⇒ 3.75g  約4.3g/㎡

10匁  ⇒ 37.5g  約43g/㎡  10~14匁のシルク生地は軽くて透け感のある薄手の生地です。用途はスカーフ・ポケットチーフ・薄手の繊細なブラウスなど

16匁  ⇒   60.0g       約69g/㎡  16~19匁のシルクは軽く柔らかく標準的な厚みで用途はパジャマ・インナー・ナイトキャップなど

24匁  ⇒ 90.0g       約104g/㎡   22~24匁は程よい厚みと耐久性を備え シーツ・布団カバー・耐久性が求められる寝装品 などに使われます

25匁  ⇒   93.75g     約108g/㎡  25匁以上のシルク生地はしっかりした厚みと重厚感があり、高密度で長持ちする。高級枕カバー、シーツ、カーテンなどのインテリア用品に用いられます。

定番のシルク生地は現在でも匁で取り扱うことが多いですが、最近ではg/m²と併記している場合もあります。

また、タオルの厚さ(重さ)の単位にも匁が使われています。ただし、タオルの場合は1ダース(12枚)あたりの重さを匁で表していて160~180匁が薄手、200~220匁が標準、240匁以上がやや厚手から厚手のタオルとなっています。

帆布の厚さを表す号数

帆布は古代エジプトでナイル川を行き来する船の帆として使われた丈夫な厚手布がルーツと言われています。日本では明治以降に本格的に生産されるようになり、和船の帆や荷物を運ぶための産業用資材として発展しました。産業用資材の品質を統一する目的で1954年に綿帆布のJIS規格が作られ、以降その規格によって製造されてきたことで帆布の厚さを表す単位として号(ごう)が用いられるようになりました。1997年に国際規格との整合性などの理由からJIS規格としては廃止になりましたが、長年培われた信頼性の高いものづくりの指標として現在も当時の基準である「号」を目安に生産している企業が多いです。

帆布は紡績された原糸を複数本合わせて(合糸して)撚りをかけた糸で織られます。この時に合わせる糸の本数や織るときのタテヨコの密度で号数が決まります。下表は1997年当時の綿帆布の規格(JIS L 3102)です。

厚み号数原糸密度(本/inch)重さ
g/m²
番手たて糸
撚り合わせ
よこ糸
撚り合わせ
たて糸よこ糸
厚い


薄い
1107828-3218-221014
2107728-3216-20941
3106628-3219-23867
4106529-3318-22794
5104532-3623-27720
6104432-3623-27647
7103434-3824-28573
8103334-3824-28500
9102344-4833-37510
10102245-4934-38428
11102143-4739-43343

 ※表中で8号より9号の目付が重くなっているのは糸の太さと打ち込みバランスによるもので重さだけで号数が決まっていない証左です。

このように日本の帆布は糸の本数やタテヨコの糸密度で規格が決まっているため単純に㎡あたりの重量で比較することは出来ません。

乗馬の鞍に使われる一番厚手の1号帆布からパンツやエコバック帽子などに幅広く使われる薄手の11号帆布まで、現在では綿だけでなくT/Cやポリエステル100%・再生ポリエステルの帆布もあり、さらに用途に合わせて様々な加工を施した帆布も流通しています。

FAQ

Q:gsmという表示は g/mと同じですか?

A:いいえ、違います。gsmは grams per square meter の略で「㎡目付」と同じ意味です。海外とのやり取りや輸入生地の規格書ではgsm表記になっている場合が多いです。例えば180gsmと書かれていれば180g/㎡と同じ意味です。

Q:シルクの匁は、なぜ93cm四方を量るのですか?

A:本来の着物用の布(反物)は、幅9寸5分(約36cm)という「小巾(こはば)」が基本でした。しかし、明治時代になり海外への輸出が始まると、欧米の洋服(ドレスやシャツ)の裁断には幅が狭すぎることが問題になりました。そこで海外の「1ヤード(約91.44cm)」という規格に合わせるため、日本の鯨尺で「2尺4寸(約91cm)」に両端の耳(ほつれ止め)を含めて約93cmになる広幅の織物が開発されました。明治後期〜大正にかけて日本の輸出用羽二重が世界市場を独占する全盛期を迎え、この時期に93cm四方の重さを基準とする「匁(Momme)」が、シルクの国際取引の単位として定着しました。

Q:帆布の号数と、オンス表記のキャンバスは比べられますか?

A:号数は糸の撚り合わせ本数やタテヨコの密度を含んだ規格です。一方オンスは1平方ヤード当たりの重さだけを表しています。そのため目付を換算して重さを比較することは出来ますが、重さだけを指標に判断することは避けて実物で厚みや風合いを確認するようにしてください。

Q:14ozのデニムというのは、1着分の重さですか?

A:使用している生地の重さです。1平方ヤード当たり14オンスの重さのデニムを使っているという意味で、製品1着の重さではありません。14ozであれば㎡当たり約475gの目付のデニムを使用していることになります。

まとめ

輸出の際にメーカーから取り寄せる生地規格書には必ず生地目付の記載欄があります。この欄にも㎡目付で記載されている場合と、巾なり目付が記載されている場合があり、両方併記されているメーカーもあります。最低限この2つの違いと換算法だけを覚えておけば通常の業務に支障はありません。そして余裕があればシルクの匁や帆布の号数についても知っておくことで多様な生地への理解が深まると思います。世界的に利便性を考えて糸のテックス表示や㎡目付に統一する動きは以前からあって、その意味合いも充分に理解しています。しかし日本の国産帆布の号数やシルク生地の匁表示には重さだけの基準では測れない生地のスペックが詰まっていることも知っていただければ嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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