リブ発注で失敗しないために。仕様を決める前に知っておきたい5つのこと

&CROP編集部の野崎です。アパレル資材の中でも発注が難しいと言われているのが、リブです。リブを一から編み立てる場合、ゲージ・素材・取り本数・サイズ・ゴム糸の有無など決める項目が多く、どうやって指定すれば良いのか分からない、と困った経験がある方も多いのではないでしょうか。

本記事では、リブ発注で迷いやすい5つのポイントについて、現場目線で解説をしていきます。記事を読み終えると自信をもって仕様を固められるようになっていますので、ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです。リブの発注方法について知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

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製品にリブが付いている画像

ゲージは「仕上がりのイメージ」から逆算して決める

ゲージとは、1インチ(2.54cm)に針が何本入っているのかを示す数値です。7G(ゲージ)だと1インチ(2.54cm)に針が7本、14G(ゲージ)だと1インチ(2.54cm)に針が14本ということです。

ローゲージとハイゲージの考え方の説明図
ローゲージとハイゲージの考え方

リブで使われるゲージ数は3G~18Gが一般的です。数字が小さいと編地が厚くざっくりしたものになり、数字が大きいと薄く平たい仕上がりになります。ゲージは、「どんな服に使うか」「どんな風合いにしたいか」のイメージから逆算して考えるのがポイントです。

ゲージごとの見え方の違いの画像
ゲージごとの見え方の違い

参考に、リブが使われている製品とゲージ数を紹介していきます。

取り本数は工場にお任せでOK

取り本数とは、糸を何本合わせて使うかを表しています。「2本取り」「3本取り」などという言葉を聞いたことがあるかもしれません。「リブを発注するにはゲージ数と取り本数を必ず指定しないといけない」と思われがちですが、実際は取り本数は工場任せでOKなことがほとんどです。ゲージ数と糸の種類が決まると、自然と取り本数も決まってきます。逆に取り本数まで細かく指定してしまうと、工場が対応しづらくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。

素材は「用途」と「季節」で選ぶ

リブに使われる糸はさまざまな種類があり、素材によって見た目の仕上がりや特性が異なります。

用途で選ぶ

スポーツウェアではポリエステル素材がよく使われています。ポリエステル糸は天然素材と比べて乾きやすく、洗濯などのお手入れもしやすいため、スポーツウェアに向いています。例えば、Amossaやラスルヤーンはスポーツウェアのリブによく使われる糸の代表格です。

ラスルヤーンサンプル帳(左)とAmossaサンプル帳(右)の画像
ラスルヤーンサンプル帳(左)とAmossaサンプル帳(右)
ポリエステル糸のポロ衿が使われているスポーツウェアの画像
ポリエステル糸のポロ衿が使われているスポーツウェア

スポーツウェアの中でも軽さを重視する場合は、DDWと呼ばれる軽量ポリエステル糸を使用することもあります。

カジュアルウェアにもポリエステル糸を使うことはありますが、温かみを出すために綿が含まれているT/Cや綿100%の糸を選ぶこともあります。表生地の素材に合わせて綿100%の糸を使うこともあれば、綿よりも扱いやすく縮みにくいといったメリットからT/C糸を選ぶこともあります。

※T/Cとは、綿とポリエステルの混紡繊維のことです。

綿リブの画像
綿リブ
T/Cリブの画像
T/Cリブ

季節で選ぶ

春夏ものの製品には綿やT/Cなどの糸を使うことが多いです。これらの糸を比較的ハイゲージで編み立てて、厚さを感じにくい薄手のリブに仕上げます。

それに対して秋冬ものの製品には、ウールやA/W(アクリルウール)などの糸を使うことが多いです。特にアウターの場合は保温性が求められるため、ウール繊維が持つ天然の保温性が活きます。これらの糸を比較的ローゲージでざっくりと編み立てて、厚みのある暖かいリブに仕上げます。

※A/Wとは、アクリルとウールの混紡繊維のことです。

秋冬リブ(A/W)の画像
秋冬リブ(A/W)

コストダウンの方法

一般的に天然繊維よりも化学繊維のほうがコストを抑えられることから、綿よりもT/C、ウールよりもA/Wのほうが単価を抑えることができます。コストも考慮しながら素材選びができると良いでしょう。

編み幅は「パーツ展開」を想定してから発注する

リブを編むための機械によって、編める最大幅が決まっています。基本のリブ編み機は64インチ(約162cm)です。リブは編み物のため、機械の最大幅いっぱいに編み上がるわけではありません。実際の編み上がり幅は使用する糸や編地の組織にもよりますが、総針を100%としたとき、2×1だと約60%、1×1だと約50%程度の幅しか出ません。また、ポリエステルよりも綿のほうが縮む傾向があるため、同じ組織でも編み幅が出にくくなります。

衿や袖のリブは編み幅が不足することはあまりありませんが、裾にリブを使いたい場合は、編地や糸の素材によっては1周ぐるりと1枚のリブで仕上げることが難しく、途中で接いで使用するケースもあります。

※接ぐ(はぐ)…複数枚の生地(リブ)をつなぎ合わせて使用することです。

どうしても広幅のリブを編みたいときは専用の編み機で

リブ工場によっては、広幅の編み機を保有していることもあります。広幅の編み機は100インチ(約254cm)あるため、通常の編み機よりも幅広のリブを編むことができます。ただし、広幅の編み機は台数が限られているため、通常よりも納期がかかり、コストも上がります。幅広のリブを使用したい場合は、納期・コストとの兼ね合いを考慮した上で、広幅編み機で編むか、通常の編み機で編んだ編地を接いで使用するかを検討すると良いでしょう。

総針・1×1・2×1は、見た目・伸縮性・コストで選び分ける

リブの編み組織(針の抜き方)は、総針・1×1・2×1がよく使われています。たとえば、基本のリブ編み機(64インチ)の最大幅で12Gの編地を作るためには、64インチ×12G=768本分の針を立てて編んでいきます。これが総針(=針がすべて立っている状態)です。針をすべて立てずに1本間隔で抜いていくと1×1、2本飛ばしで1本ずつ抜いていくと2×1の編地になります。

編み組織見た目伸縮性コスト
総針(0×0)フラット標準安い
1×1総針とほぼ同じ高い(よく伸びる)
2×1畝状の模様高い

総針と1×1は、どちらもフラットな編地で見た目はほとんど変わりません。2×1は畝状の模様が出ます。そのため、見た目で「総針か2×1か」を検討される方が多いです。コストは総針のほうが安く、2×1のほうが高くなります。

総針と2×1の比較の画像
総針と2×1の比較

1×1はどんなときに使うの?

見た目は総針とほとんど変わらない1×1ですが、針を抜いている分、総針よりも伸縮性が高いことが特徴です。そのため、「総針のような見た目でありながら伸縮性が欲しい」というときに使われます。具体的には、脇部分のパーツにリブを使用して伸縮性を持たせたい場合などです。

ゴム糸は「使う部位」と「素材」で入れるかどうかを判断する

工場にリブを発注したときに「ゴム糸(ポリウレタン糸)を入れますか?」と確認されることがあります。「入れたほうがいいの?」と回答に困ることもあるかもしれませんが、基本的にはリブを「使う部位」「リブの素材」によって判断していただければ問題ありません。

使う部位によって判断する

ゴム糸を入れる最も大きな目的は「伸縮性(キックバック)を出すため」です。丸首の衿に使うリブや袖口など、伸縮性がないと脱ぎ着がしづらい部分に使うリブには、ゴム糸を入れることが多いです。一方、ボタンを開けて脱ぎ着できるポロシャツのポロ衿など、伸縮性を必要としない場合はゴム糸を入れないことが多いです。

素材によって判断する

ゴム糸を入れる目的のひとつに「ハリを出すため」もあります。ポリエステル糸は糸にハリがあり、編地もしっかり仕上がるため、伸縮性が必要ない部位にはゴム糸を入れないことが多いです。一方、T/Cや綿など天然繊維を含む糸は編地にハリが出にくいため、伸縮性が必要のない部位のリブにも、ハリを出すことを目的としてゴム糸を入れることがあります。判断に迷ったときは、使用箇所と素材を工場に伝えて相談するのが確実です。

ゴム糸が入っているほうが編地の見た目がきれい?

ゴム糸を入れることで目がきゅっと詰まって見えるため、整った編地に仕上がります。日本のリブ編み工場ではゴム糸を入れなくても目の整った編地に仕上げることができますが、海外のリブ編み工場に依頼した場合、きれいに編み目を揃えることが難しく、ゴム糸を入れてカバーするケースもあるのだとか。ゴム糸なしでも美しい編地に仕上げられることが、日本のリブ編み工場のこだわりでもあるようです。

まとめ

今回は、リブ発注で失敗しないための5つのポイントについてご紹介しました。

  1. ゲージは「仕上がりのイメージ」から逆算して決める
  2. 素材は「用途」と「季節」で選ぶ
  3. 編み幅は「パーツ展開」を想定してから発注する
  4. 総針・1×1・2×1は、見た目・伸縮性・コストで選び分ける
  5. ゴム糸は「使う部位」と「素材」で入れるかどうかを判断する

一から編み立てるリブの発注は試作も必要で、作り直すのにも納期がかかります。仕様決めに迷った場合は、まずリブ工場や資材商社に相談するのが近道です。&CROPを運営しているクロップオザキでも、編立リブのご相談を承っております。「編地見本や糸見本帳を見てみたい」「仕様を相談しながら決めたい」という方は、お気軽にご相談ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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