&CROP 編集部の野崎です。
最近アパレル業界でも「SDGs」「サスティナブル」という言葉をよく耳にしますよね。
サスティナブルを意識した企画をやりたい!と思いながらも、「どんな種類があるのか?」「何から始めれば良いのか?」「資材の選び方は?」等、分からないことが多すぎて取り掛かれない・・・という方もいるのではないでしょうか。
今回のシリーズでは、サスティナブルな取り組みとして挙げられる代表的な種類と、アパレルでそれらを採用した事例をご紹介します!基本的な知識と、他社で行われている取り組みを知ることで、自社の取り組みのアイデアづくりに活かしてみてください。
ご紹介するサスティナブルな取り組み4項目
- 植物由来(バイオマス)
- オーガニック
- 生分解
- リサイクル(再利用)
こちらの記事では4つの中で「オーガニック」についてお話しいたします。
アパレル業界で使われるサスティナブル認証について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
こんにちは。&CROP編集部の野崎です。アパレルでサスティナブル資材を使った商品を企画をしたい!と考えたときに、一番分かりやすく、消費者にも伝わりやすいのがサスティナブル認証を受けている資材を使うことです。しかし、サスティナブル認証[…]
オーガニックとは?
オーガニックとは、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業のことです。
参照:農林水産省~有機農業とは https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/
簡単に言うと、自然の恵みを活かした環境にやさしい栽培方法です。
具体的には、
- 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと
- 遺伝子組み換え技術を利用しないこと
が挙げられます。
化学的に合成された肥料や農薬を使うと、自然界に無いものが自然の中に流れてしまうため、土壌を汚染する原因となります。また、遺伝子組み換えを行った作物を使用すると、その作物が農地の外に出てしまったとき、生態系に人工的な影響を及ぼす可能性もあります。そのため、この2点が禁止されています。
製品がオーガニックな素材を使用していることを証明する世界的な認証はOCS認証とGOTS認証の2種類があります。
こちらの記事で認証についてまとめておりますので、詳細はこちらをご覧ください。
こんにちは。&CROP編集部の野崎です。アパレルでサスティナブル資材を使った商品を企画をしたい!と考えたときに、一番分かりやすく、消費者にも伝わりやすいのがサスティナブル認証を受けている資材を使うことです。しかし、サスティナブル認証[…]
オーガニックコットンとは?
オーガニックについて、アパレル関連では「オーガニックコットン」という単語をよく耳にします。オーガニックコットンとは、その名前の通り、化学肥料や農薬を使わずに、太陽や水・大地など自然の恵みを生かして栽培・生産されたコットンのことを指します。
詳細な条件は下記となります。
- 化学薬品の仕様による健康負荷・環境負荷を最小限に抑えていること
- 労働者の健康や安全に配慮されていること
- 児童労働を禁止していること
オーガニックコットンには専用の認証が無いため、日本オーガニックコットン協会の会員となり、会員タグを取得するか、オーガニックの認証であるGOTS認証を取得することで証明ができます。
オーガニックな素材を使った資材
オーガニックコットンを使用した資材をご紹介します。
オーガニックコットンテープ
テープやコードは織り方・編み方で数種類ありますが、オーガニックらしい温かみのある色合いが素敵です。生成以外の色は染色されていますが、染色も環境負荷の少ない方法を用いて行われています。オーガニックコットンのテープは、後染をしてしまうと「オーガニックコットン」と謳えなくなってしまう可能性が高いため、そのままの使用をおすすめします。
オーガニックコットンレース
レースになるとやさしさ、ふんわりとしたイメージがオーガニックコットンと合っていて素敵です。
アパレルのオーガニック素材を使った取り組み例
PASCAL MARIE DESMARAIS(公式HP)
ブランド設立当初から可能な限りオーガニックコットンを採用しているファッションブランドです。
オーガニックコットンというと「肌にやさしい」「肌触りが良い」というイメージがありますが、肌へのやさしさ・手触りは、オーガニックコットンと通常のコットンとでほとんど関連性がありません。見た目もほとんど変わりません。それでもオーガニックコットンを使う理由として、「生産者を守りたい」という想いがあります。
通常のコットン栽培に使用される農薬で、毎年7700万人もの労働者が中毒に苦しめられていると言われています。また、コットンを栽培する際の農薬による水の量・水質汚染も問題視されています。そのため、オーガニックコットンを選択することで、農家の方々の安全な水路と飲み水を確保することができると言われています。
こちらのブランドでは、そのような綿農家の現状やブランドとしての想いを展示会で来場者に説明し、知識として持ち帰れるように取り組んでいます。ブランド側がどんなに想いを持って作っていても、購入する方々に伝わっていなければ意味がありません。このようなアウトプットをしていることも、ファンを増やすきっかけになっているのだと感じます。
参考ページ:WWD「なぜオーガニックコットンを選ぶのか?【前編】」https://www.wwdjapan.com/articles/1220132
Hippopotamus ヒポポタマス(公式HP)
バンブー(竹)レーヨンとオーガニックコットンを交織し、タオルやルームウェア・赤ちゃん用スタイなどを展開しているブランドです。
バンブーレーヨンの原料となる竹は、2-3年のサイクルで成長を繰り返します。一度伐採すると60年は再利用できないと言われている森林に比べ、短いサイクルで循環でき、伐採しても自然環境のバランスに影響を及ぼしにくいことから注目を集めています。
また、環境への影響だけでなく、シルクのような凹凸感のあるバンブーレーヨンを使うことで、独特の光沢感・鮮やかな発色を可能としています。また、日本で最初の風力発電で稼働する工場で生産されていて、エコテックス スタンダード100も取得し、環境にもヒトにも優しいものづくりをしています。
参考ページ:WWD「バンブー素材はコットンに代わる天然繊維になるか」https://www.wwdjapan.com/articles/1242902
まとめ
環境保護だけでなく、生産者を守ることができるという観点からも注目されているオーガニック素材。
オーガニック素材を取り入れることだけでも環境に重要ですが、興味のある人だけに購入してもらうのではなかなか広まりません。オーガニック製品を購入することで、どんな効果があるのか・何に貢献できるのかを分かりやすく伝え、周りを巻き込んで取り組んでいくことが必要です。
今回ご紹介したオーガニックコットンの資材は、弊社で取り扱っております。「資材が欲しい」「オーガニック資材に関してもっと詳しく知りたい」という方は、こちらのお問合せフォームよりご連絡ください。