&CROP 編集部の野崎です。
最近アパレル業界でも「SDGs」「サスティナブル」という言葉をよく耳にしますよね。
サスティナブルを意識した企画をやりたい!と思いながらも、「どんな種類があるのか?」「何から始めれば良いのか?」「資材の選び方は?」等、分からないことが多すぎて取り掛かれない・・・という方もいるのではないでしょうか。
今回のシリーズでは、サスティナブルな取り組みとして挙げられる代表的な種類と、アパレルでそれらを採用した事例をご紹介します!基本的な知識と、他社で行われている取り組みを知ることで、自社の取り組みのアイデアづくりに活かしてみてください。
ご紹介するサスティナブルな取り組み4項目
- 植物由来(バイオマス)
- オーガニック
- 生分解
- リサイクル
こちらの記事では4つの中でも「リサイクル」についてお話しいたします。
アパレル業界で使われるサスティナブル認証について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
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リサイクルとは?
リサイクルとは、使い終わった製品を一度資源に戻し、再度他の製品に作り変えることです。
アパレルでよく使われているリサイクルに関する認証としては、国際的な認証であるGRS認証が挙げられます。しかし、国際的な認証は取得フローが複雑だったり、認証を受けるために費用がかかったりするため、資材自体がGRS認証済という例は少なく、ほとんどが「GRS認証済の素材(樹脂等)を使って作った資材(ボタン等)」という形になっています。
よくリサイクルを含めて3Rと言われますが、3Rとは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuce)、リサイクル(Recycle)の3つのRをまとめた言葉です。
- リデュース(Reduce)・・・ものを大切に使い、ごみを減らすこと
- リユース(Reuce)・・・使えるものは、繰り返し使うこと
- リサイクル(Recycle)・・・ごみを資源として再利用すること
- ※環境省 地球環境局ページ参照:http://www.env.go.jp/recycle/3r/campaign/campain.html
リサイクル資源を使ったアパレル資材
最近ではペットボトル等をリサイクルした再生PET資源が多く出回っているため、それに伴いリサイクル資源を使ったアパレル資材も種類が豊富です。
ボタン
再生ポリエステルボタン
黒白2色展開で、GRS認証済の原料を使ったボタン・パーツです(一部パーツは受注生産品)。
再生ナイロンボタン(漁網リサイクル)
使われなくなった漁網をリサイクルしたボタン・パーツもあります。
漁網は使われなくなったものがそのまま海に捨てられ、ゴーストネットと呼ばれ、海洋生物が絡まって死んでしまうという問題もあります。こちらのボタン・パーツは受注生産品となりますが、リサイクルというだけでなく生物保護の観点からも貢献ができる資材です。
テープ・リボン
ファスナー
こちらはYKKのリサイクルファスナーNATULONです。回収されたPETボトル等をリサイクルした材料をファスナーテープにした環境配慮型のファスナーです。
アパレルのリサイクル資材を使った取り組み例
リサイクルは「SDGs」が取り上げられるよりずっと前から重要視されていたため、自社で製品を回収し、それらを作り変えるなどの取り組みをしているアパレルブランドも多くあります。
snow peak スノーピーク(公式HP)
snow peakは、アパレル事業でコットン製品を循環させる仕組み「アップサイクル コットン プロジェクト」を2021-22秋冬シーズンからスタートさせます。
このプロジェクトは、snow peakの店舗に綿製品の回収BOXを設置し、それらを粉砕して繊維に戻し再び製品にするというもので、コットンの循環を目的としています。リサイクルしたコットンを使うことで、環境への負荷を減らすだけでなく、肌なじみが良く、雰囲気の良い製品に仕上がります。回収した綿製品は、耐久性がありアウトドア層になじみのあるデニムパンツに生まれ変わります。
snow peakは元々アウトドアブランドであり、生産者として環境に配慮することは当然だという考えですが、今まで行っている取り組みを消費者に伝えきれていなかったそうです。今回のプロジェクトで自然の大切さやsnow peakの考えを積極的に伝えていくとのことです。
参照:WWD「スノーピーク アパレルがコットン循環プロジェクト始動 ジーンズに込めた自然保護への”当たり前”」 https://www.wwdjapan.com/articles/1250185
モンドデザイン(公式HP)
リサイクルというよりリユースに近い形になりますが、モンドデザインは、タイヤチューブを再利用したバッグ「SEAL(シール)」、ビニール傘を再利用したバッグ「プラスティシティ」などのブランドを手掛ける会社です。
廃棄されるであろう素材を見つけ出し、その素材の質感を活かしながら全く新しいものに生まれ変わらせるという点で、こちらの2ブランドは話題性もあり、再利用ならではのデザインも素敵ですね。
まとめ
アパレルブランドでリサイクルを取り入れる方法としては、リサイクルされた市販の生地・資材を使う方法と、自社製品を回収(リサイクル)し新たなものとして販売する方法の2種類が主流です。
後者の方がブランド内で循環でき、リサイクルのフローを管理・公開しやすいため消費者参加型の取り組みとして行っていけるメリットがありますが、回収やリサイクルのスキームを組み立てていくことはかなり大変で、長期的な視点で取り組まなければならないプロジェクトです。
それに対し、前者はリサイクル資材を使うことで外部のスキームを組み込むような形になるため、比較的始めやすいというメリットがあります。
多くのアパレルブランドがすでにリサイクルの取り組みを始めているからこそ、自社のブランドはいつまでにどんな目標を達成したいのか・その取り組みを消費者に理解してもらい、巻き込んでいくにはどうすれば良いかをよく検討したうえで進めていく必要があります。
今回ご紹介したリサイクル資材は、弊社で取り扱っております。「資材が欲しい」「リサイクル資材に関してもっと詳しく知りたい」という方は、こちらのお問合せフォームよりご連絡ください。