バイオマスとは? アパレルサスティナブル基本講座①

&CROP 編集部の野崎です。

最近アパレル業界でも「SDGs」「サスティナブル」という言葉をよく耳にしますよね。

サスティナブルを意識した企画をやりたい!と思いながらも、「どんな種類があるのか?」「何から始めれば良いのか?」「資材の選び方は?」等、分からないことが多すぎて取り掛かれない・・・という方もいるのではないでしょうか。

今回のシリーズでは、サスティナブルな取り組みとして挙げられる代表的な種類と、アパレルでそれらを採用した事例をご紹介します!基本的な知識と他社で行われている取り組みを知ることで、自社の取り組みのアイデアづくりに活かしてみてください。

ご紹介するサスティナブルな取り組み4項目

こちらの記事では4つの中でも「植物由来(バイオマス)」についてお話しいたします。

アパレル業界で使われるサスティナブル認証について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

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植物由来(バイオマス)

植物由来(以下バイオマス)とは、再生可能な植物由来の資源 のことです。bio(生物資源)と量(mass)が合わさってできた言葉で、バイオマス資源というと、サトウキビ・トウモロコシ・ナタネ・もみがら・木材パルプ 等が挙げられます。

石油などの化石資源は、地下から採掘している分が無くなれば枯渇してしまいますが、植物であれば、太陽と水と二酸化炭素さえあれば持続的に生み出すことができます。そのため、持続可能である=サスティナブルであると言えます。

また、林地残材やもみがら、建築廃材などの捨ててしまうはずの資源を活用できるという点からも、資源を無駄なく活用できて環境にやさしいと言われています。

参考:農林水産省 九州農政局HP https://www.maff.go.jp/kyusyu/kikaku/baiomasu/teigitou.html

他にも、バイオマス資源を使う大きなメリットがあります。それは、「カーボンニュートラル」という考え方に基づくと、CO2の排出量を総じて抑えることができるという点です。バイオマス資源は植物由来ではありますが、それらをプラスチックに作り変える際や使用後に燃焼廃棄する際は、通常のプラスチックと同じようにCO2は排出されます。CO2は温室効果ガスと言われ、大気中に多く排出されると地球温暖化を促進してしまいます。

しかし、バイオマス資源の原料となる植物は、成長する過程で光合成をします。光合成はCO2と水を使って酸素とエネルギーを生み出すので、大気中のCO2が減ることになります。

つまり、植物を原料としたバイオマス資源を使うことで、プラスチックを生み出す/焼却するときに発生するCO2を、そのバイオマス資源の植物が成長する過程で吸収するCO2と相殺するため、±0になる、というのが「カーボンニュートラル」の考え方です。

この考え方については、

「バイオマス資源のために植物を新たに育てているのであれば成り立つが、廃材を使っているなら地球上の植物の量を増やしているわけではないので、成り立たないのではないか」

「実際本当に±0になっているのかが分からない」

などという意見もありますが、化石資源を使うよりかは確実にサスティナブルであると言えると思います。

バイオマス資材ってどんな種類があるの?

バイオマス資源を使って作られたアパレル資材をご紹介します。

ボタン

ボタンで使われているのはバイオマス資材は「バイオポリエステル」「バイオナイロン」「バイオユリア」の3種類となります。

バイオマス素材からプラスチックを作る場合、100%バイオマス素材を使うというのはなかなか難しいです。というのも、バイオマス素材は通常のプラスチックとは性質や強度が違うため、バイオマス素材を過剰に入れてしまうことで、品質に問題が出てしまうためです。各メーカー、品質を維持しながらも、最大限バイオマス素材を使っていけるように、日々研究・改良されています。

バイオポリエステルボタン

バイオポリエステルボタンの写真
バイオポリエステルボタン

バイオポリエステルボタンは、トウモロコシを原料に作られます。

バイオマス素材の含有率は25.7%で、バイオマス25のバイオマスマークと、エコテックス認証を取得しています。
※認証の種類に関しては、こちらの記事で詳しくまとめております。

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バイオユリアボタン

バイオユリアボタンは、木材パルプやサトウキビの搾りかすを原料に作られます。

バイオマス素材の含有率は25.8%で、ポリエステル同様バイオマス25のバイオマスマークと、エコテックス認証を取得しています。

バイオユリアボタンの中でも、サトウキビの搾りかすを原料としたボタンを「バガスボタン」と言います。バガスボタンの原料となるサトウキビは1年草でサイクルが早いため、伐採しても次の年には成長する、という点で木材パルプよりも環境への負荷が低い(持続可能である)と言われています。

日東ボタンのバガスボタンの画像
日東ボタンのバガスボタン

また、大手ボタンメーカーであるアイリスは、バイオユリアボタンに米ぬかを配合させたボタンも開発しています。

バイオマス素材25.8%に、米ぬかを10%配合しています。米ぬかのツブツブとした見た目がナチュラルで、とても素敵なボタンです。エコの要素だけでなく、生地との相性を考えた使いやすいデザインとカラーが魅力です。実はこの「米ぬか」は、アイリスの工場がある群馬県の農家さんから提供してもらっているそうです。

 

米ぬかボタンの画像
米ぬかボタン

バイオナイロンボタン

バイオナイロンボタンの写真
バイオナイロンボタン

写真のバイオナイロンボタンは、トウゴマの油を原料に作られています。

バイオマス原料94.4%と、ポリエステル・ユリアと比較して含有率がかなり高く、バイオマス90のバイオマスマークを取得しています。単価は通常ナイロンよりも高いですが、バイオマスの含有率が高いので環境への負荷が小さいボタンとなります。

パッケージ(製品袋)

製品袋の画像
製品袋

バイオマス素材を使ってパッケージを作成することも可能です。

通常のプラスチックパッケージ同様に、オリジナルでロゴをプリントしたり、開閉できるドットボタンやチャックを付けることもできます。パッケージは使うフィルムによってバイオマス含有率が異なります。

ファスナー

バイオマス素材のファスナーは、YKKのGreenRise™があります。

GreenRiseファスナーの画像
GreenRiseファスナー

GreenRise™は、サトウキビから砂糖を作るときに生まれる副産物である「廃糖蜜」を原料とし、30%をバイオマス素材に置き換えています。

GreenRiseファスナーの画像
GreenRiseファスナー

見た目は通常のファスナーと変わりません。サイズ5のコイルファスナーのみの展開となります。

アパレルのバイオマス資材を使った取り組み例

バイオワークス(公式HP

バイオワークス HPより
バイオワークス HPより

アパレルではないのですが、バイオワークスは素材を開発・製造している会社です。

バイオマス素材で、且つ生分解性のあるポリ乳酸(PLA)という素材は従来からあるのですが、染色性が悪いことと熱に弱いことから、繊維業界ではあまり流通していませんでした。バイオワークスでは、このポリ乳酸の弱点を克服する植物由来の添加剤を開発し、「Plax Fiber」という改良ポリ乳酸の開発に成功しました。

「Plax Fiber」はサトウキビ・トウモロコシが原料となっています。この新たな素材を使って、抗菌・消臭性に優れた肌にやさしいタオルを生産しています。今後はコンポスト等の回収モデルも確立させる予定とのことです。

まとめ

バイオマス製品で地球温暖化の進行を抑制

アパレルにおいてもバイオマスマークは幅広く使われてきています。日本のみの認証なのですが、その分、国際認証よりもフローも簡単で、「何から始めよう?」と考えたときに比較的取り入れやすいです。マークにある数字で含有率分かりやすく管理されているので、製品にどのくらいバイオマス資源が使われているのかが明確で、消費者にも伝えやすいです。

バイオマス認証を受けているアパレル資材は弊社で取り扱っております。「資材が欲しい」「バイオマス資材に関してもっと詳しく知りたい」という方は、こちらのお問合せフォームよりご連絡ください。

 

 

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