最新サステナブルファスナーや最高級ファスナーも!YKK展示会レポート2023

こんにちは。&CROP編集部の野崎です。

11月9日に両国で行われていたYKKの展示会に伺いました。

YKK担当者の方と記念撮影!
YKK担当者の方と記念撮影!

学生も多く来場することから、ワークショップや業界以外の方でも楽しめる展示も多くありました。また、全体的な商品展開としては、サステナブル素材に置き換えたアイテムが増えた印象でした。

今回は展示会の中でも、特に面白いと感じた3つの展示をご紹介したいと思います。

zip TO zip の取り組み

zip TO zipの取り組み説明ボードの画像
zip TO zipの取り組み説明

zip TO zipとは、ファスナーを作るために使う資源のクローズドループを実現するための取り組みです。

※クローズドループとは…素材を再利用するリサイクルのうち、不純物を除去することによって、組成を厳密に管理しなくても、同じ素材に繰り返し利用される循環型のリサイクルを指します。

具体的には、アパレルメーカーと協力して使われなくなった洋服などからファスナーなどの商品を回収し、素材を分別・リサイクルして新たなファスナーとして再生させる取り組みです。既にパタゴニアとともにこのループを実現していて、今後は他のブランドとの協働や、YKK製品以外のファスナーの回収も目指しているそうです。

パタゴニアとの事例紹介の画像
パタゴニアとの事例紹介

リサイクルは素材を分解して作り替えるという部分ではエネルギー消費はあるものの、資源の循環という点でこの取り組みが広がれば、ただ廃棄されるだけのファスナーが無くなり、画期的な取り組みだと感じました。

NATULON®ファスナー

以前からYKKで取り扱っている再生ポリエステル繊維を使ったNATULON®ファスナー。繊維くずなどのポリエステル廃材を回収してリサイクルし、ファスナーに作り替えています。

定番のNATULONファスナーは多く知られていますが、インクジェットでプリントできるファスナー「PRIFA®(プリファ)」や簡易止水機能を持ちデザイン使いとしても人気の高い「AquaGuard®(アクアガード)」のNATULON展開があることは、ご存じ無い方も多いのではないでしょうか。

PRIFA®(左)とAqua Guard®(右)

ちなみにNATULONはケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルがあります。PET素材をポリマーまで戻さずペレット状態から糸にする「マテリアルリサイクル」の方がエネルギーを消費しないため、環境にやさしいとされていますが、マテリアルリサイクルは再生ポリエステル糸が黄ばんでしまうため、淡い色が出しにくいというデメリットもあります。そのため最初はケミカルリサイクル中心で展開していたNATULONですが、技術開発の進歩で、現在はマテリアルリサイクルでも大体は同じ色で展開しています。(若干淡色は色味が異なるため、サンプルで確認されることをお勧めします。)

NATULON リサイクル方法の違いの画像
NATULON ®リサイクル方法の違い

EXCELLA® 横ストレッチテープ

YKKの最高級金属ファスナー「EXCELLA®(エクセラ)」の横ストレッチテープタイプです。ファスナーテープの編み組織の一部に伸縮性を持たせることで、横に負荷がかかったときでもファスナーのスライダーの上下がスムースにできるというアイテムです。

通常のEXCELLA(エクセラ)の画像
通常のEXCELLA®(エクセラ)
EXCELLA(エクセラ)のエレメントはカラーバリエーションの画像
EXCELLA®(エクセラ)のエレメントはカラーバリエーションが豊富

EXCELLA®は1つ1つに磨きをかけた美しいツヤのあるエレメントが特徴的で、高級ファスナーとして鞄にもよく使われています。鞄に使用する場合、荷物を詰め込みすぎるとファスナーが閉まりにくくなってしまいますが、ファスナーテープの横方向に伸縮性があると、多少荷物を詰め込みすぎてもスムースに閉められる、というメリットがあります。

通常(左)と端を引っ張った状態(右)の画像
通常(左)と端を引っ張った状態(右)

私もよく鞄に荷物を詰めすぎてしまってファスナーを閉めるのに苦労するので、痒い所に手が届くアイテムだなと感じました。

まとめ

日々進歩するYKKファスナー!サステナブルな新商品に期待大。

さすが、日本のシェア90%以上を誇るYKK。展示会の度に開発の進歩を感じます。ここではまだご紹介できませんが、展示会には開発段階の興味深い参考展示もたくさんありました。SDGsに対する取り組みが当たり前となるこれからの時代に合わせて、開発もサステナブルな方向に力を入れているように感じました。

また、今回の展示会では、アパレル業界以外の方や服飾学生の方でも楽しめるような分かりやすいコンテンツ、ワークショップなどの体験型のコンテンツが充実しており、展示会ではありますが、だれでも楽しめるようなテーマパーク感が強い印象を受けました。

YKKの展示会は毎年実施されておりますので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

 

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