&CROP編集部の野崎です。
「テープ」は洋服のあらゆるところに使われている資材です。表からは見えないような部分にも使われているため、なかなか気が付くことができませんが、ポロシャツの衿部分(衿伏せテープ)やパンツの側章テープ、フードやパンツのウエストの中に入っているスピンドルなど、さまざまな場所で使用されています。
こだわりのあるアパレルブランドでは、そのテープにロゴが入っていることもあります。細部にまでこだわることで、ブランドの世界観を表現することができます。しかし、テープへのロゴ入れ方法にはさまざまな手法があり、「どの方法を選べばいいのかわからない」「仕上がりのイメージが湧きにくい」と悩まれる方も少なくありません。
そこで今回は、テープにロゴを入れてオリジナルテープを作成する方法について、実務目線でわかりやすくご紹介いたします。
ロゴを入れにおすすめのテープ
衿伏せテープ
ポロシャツやスウェットなどの衿の生地の切り替え部分に付けるテープです。スポーツウェアではニットテープ、カジュアルウェアでは杉綾の織りテープなどが使われていることが多く、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。表からは見えにくい部分ですが、脱いだ時に目に入りやすい箇所でもあり、ロゴを入れることでブランドのこだわりを表現することができます。
側章テープ
パンツなどの側章テープは、服全体のデザインとしても大きな見せどころとなるパーツです。プリントロゴも良いですが、少し珍しい手法でロゴを入れることで、他ブランドとの差別化や存在感のあるデザインに仕上げることも可能です。

スピンドル
フードやパンツのウエストなどに使われているスピンドルです。紐先加工でオリジナリティを出すこともできますが、スピンドル自体にロゴを入れることももちろん可能です。紐先のオリジナル加工について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
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腰裏テープ
パンツの腰裏に使用するテープです。中にシャツをしまって着用するウェアの場合は、動きに応じてシャツが出てきてしまうのを防ぐため、滑り止め機能のあるテープが使われることもあります。表には見えませんが、ロゴを入れることで、機能性とデザイン性の両立が可能になります。

ロゴ入れできる3つの手法
ここからは、ロゴ入れの方法についてご紹介していきます。今回紹介する手法は、以下の3つです。
- プリント
- ジャガード
- エンボス
それぞれの特徴を理解したうえで、用途やブランドイメージに合わせて選ぶことが大切です。
プリント
一番一般的なロゴ入れ方法と言えば、プリントです。プリントにもさまざまな手法があります。
顔料プリント
プリント手法の中で、最も安価で取り入れやすい手法です。顔料をテープの上に固着させるようなイメージでプリントを行います。
顔料プリントは基本的に1色1版で、版画のように刷っていく方法です。そのため、多色刷りを行う場合は、色ズレが発生するリスクもあります。そのためシンプルな単色ロゴを印刷する場合におすすめで、コストを抑えたい場合にも適しています。また、インクジェットプリントと異なり、はっきりとした色が出ることも特徴です。
インクジェットプリント
インクジェットプリントは、顔料プリントとは異なり、染料でテープ自体を染めていく手法です。プリンターで印刷するのと同じようなイメージのため、多色刷りを得意としており、写真のような精密な柄も表現しやすい点が特徴です。一方で、色をしみこませて柄を表現するため、顔料プリントと比較すると、色と色の境目がはっきり出にくい傾向があります。
ラバープリント
ラバープリントは、樹脂(ラバー)と顔料を混ぜた素材を使用するプリント方法です。手法は顔料プリントと同様に、版画のような仕組みになっています。顔料プリントと比較すると、テープに伸縮性がある場合でも割れにくく、伸びに追従しやすい点が特徴です。また、少しぷっくりとした仕上がりになるため、高級感も演出できます。ただし、顔料プリントと比較すると、コストはやや高くなります。
シリコンプリント
シリコンプリントは、ラバープリントの進化版のような手法です。ラバープリントよりもさらに立体感があり、割れにくく、高級感のある仕上がりになります。名前の通り、素材はシリコン樹脂で、伸びに強いプリント方法のひとつです。そのため、伸縮性のある生地が使われるスポーツウェアなどで多く採用されています。また、シリコンは滑り止めの機能もあります。例えば、パンツの腰裏テープにシリコンプリントを採用することで、シャツの飛び出し防止など、機能性の向上にもつながります。
ジャガード
次に、ジャガードでオリジナルロゴを表現する方法です。ジャガード織機と呼ばれる織機を使い、ロゴを織りで表現していきます。
プリントと違って、擦れても剥がれたりしないため、耐久性に優れています。また、ロゴが織で表現されているため、引っ張っても裂けたり割れたりしにくい点もメリットです。一方で、手法の特性上、テープに厚みが出やすいため、薄いテープを作成したいときは向きません。例えば衿伏せテープをジャガードで作成すると、縫い目隠しをするつもりが縫い目部分にジャガードテープをたたきつけることでさらにもっこりしてしまい、首に当たって気になってしまう可能性もあります。ジャガードのもう一つの特徴として、裏側は色が反転して見えます。そのため、両面同一デザインでの作成は難しいです。
また、織りでできている都合上、細かすぎるロゴデザインは綺麗に再現できない可能性もあります。
側章のようにテープをデザインのアクセントとして目立たせたい場合は、プリントよりもジャガードを使用することで、高級感のある仕上がりになります。
色の使い方で一工夫
白地に黒文字など、コントラストの強い配色にするとロゴを目立たせることができます。一方で、黒×グレーなど明度が近い色を選ぶことで、ロゴの主張を抑え、落ち着いた印象に仕上げることも可能です。ブランドの方向性に合わせて、配色を検討しましょう。
エンボス
エンボスは、テープにロゴの入った型を押し当て、凹凸でロゴを表現する手法です。圧力や熱を加えることで、凹凸に加えて光沢やマット感の違いも表現できます。使用するテープの素材や厚みによって仕上がりは大きく変わり、ふんわりとした素材の場合は、よりはっきりとロゴが浮かび上がります。薄手のテープだと凹凸感があまり出ず、ロゴが見えにくい場合もあるので、土台のテープについては工場やテープメーカーへ相談が必要です。色の変化は少ないため、主張しすぎず、さりげなくブランドをアピールしたい場合に適しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、オリジナルロゴを入れたテープを作る方法についてご紹介しました。ロゴ入れは、手法によって見た目や雰囲気、コスト感も大きく異なります。ブランドのコンセプトやターゲットに合わせて、最適な方法を検討してみてください。
&CROPを運営する株式会社クロップオザキでは、オリジナルテープの生産だけでなく、さまざまなアパレル資材のご提案を行っております。「どの方法が合うかわからない」「まずは相談したい」という方も、お気軽にお問い合わせください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
- 画像サンプル協力:井上リボン工業株式会社様