もくじ
ドットボタンとは
名称(日本語/英語) |
ドットボタン/ Dot button |
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カテゴリ | 副資材 ー服飾資材 |
種類 | 大カテゴリ(ドットボタン) |
概要
ドットボタン(日本語名:ドットボタン・機械付けスナップボタン/英語名:Dot button)とは、衣類などに用いる留め具のうちボタンのような2つの部分をパチッと合わせて固定させるもので、何度でも自在に開け閉めできることが特徴です。ボタンホールは不要です。素材で大きく分けて金属ドットとプラスチックドットの2種類があります。
ドットボタン各部の名称
ドットボタンの各部の名称についてご説明します。
名称は使用するドットボタンのメーカーによって異なります。
今回は、一般的によく使われている「YKKスナップファスナー社(以下YKK SF)」と「モリトジャパン社(以下モリト)」の2社で使われている名称についてご紹介します。
ドットボタン上組
キャップ
キャップとは一般的に、上前の表面で一番見える部分のパーツです。ブランドの刻印を入れるなど、様々なデザインがあります。
バネ(ソケット)
バネ(ソケット)とは、上前の裏面(キャップの反対側)に取り付けるパーツです。内側に金属やプラスチックのバネが付いていて、ゲンコ(スタッド)の凸部分がカチッとはまるようになっています。
ドットボタン下組
ゲンコ(スタッド)
ゲンコ(スタッド)とは、下前に付くドットボタンの下組パーツのうち、凸部分があり、バネ(ソケット)にカチッとはまるパーツです。一般的には凸部分の上の方に膨らみがあり、その部分をバネと噛み合わせることで着脱します。
ホソ(ポスト)
ホソ(ポスト)とは、下前に付くドットボタンの下組パーツのうち、裏側(ゲンコ(スタッド)の反対側)に取り付けるパーツです。プラスチックドットボタンでは、キャップと全く同じ形状のものをホソ(ポスト)として使用することも多いです。
※キャップ以外のパーツ(バネ・ゲンコ・ホソ)を合わせてアンダーパーツ(3つ組)とも呼びます。
そのほかドットボタンに関するパーツ
パッキン
パッキンとは、ドットボタンの上組、下組それぞれのパーツの間に挟む透明なポリウレタンや白や黒の不織布でできたパーツです。ドットボタン着脱の際は生地に負荷がかかるため、生地の補強としてパッキンを挟みます。
基本的には下組(ゲンコ+ホソ)の間に挟むことが多いですが、生地が薄い場合は上組(キャップ+バネ)の間に挟むこともあります。
打ち機
打ち機とは、ドットボタンを打つための機械です。ドットボタンのメーカーによって対応している打ち機が違います。手動式と自動式がありますが、どちらも駒を上下に取り付けて使用します。YKK SFの打ち機は同社のドットボタンしか打つことができません(駒の挿入部分が他社との互換性がないため)。
駒
駒とは、ドットボタンを打つための打ち機に取り付けるパーツです。ドットボタンの各パーツにはサイズやデザインが複数ありますが、それぞれぴったりのサイズでできた専用の駒があり、それ以外の使用は推奨されません。(ドットボタンが破損したり塗装が剥げたりする可能性が大きいため)キャップ・バネ・ゲンコ・ホソの4つのパーツに合わせた駒があります。そのため、1つのドットボタンを打つのに4つの駒が必要です。
用途
ドットボタンは、衣類や小物に使用されています。
衣類
ブルゾン・コートのフロント、ポケットの開き口、キッズパンツのフロント
小物
鞄・ポーチ等の開き口
魅力
ドットボタンの魅力は大きく2つ。
魅力1. パチッと留まる気持ちよさ!
ドットボタンの魅力といえば、やはりパチッと留まる感覚の気持ち良さです。
ドットボタンと同じように生地と生地を合わせるための付属といえばファスナーもよく使われていますが、ドットボタンの着脱にはクセになる気持ちよさがあります。また子供でも着脱しやすいことから、プラスチックのドットボタンはキッズの衣類にもよく使われています。
魅力2.キャップの豊富なデザインとカラー
キャップの豊富なデザインとカラーも、ドットボタンの魅力のひとつです。
キャップは定番のロゴ入りデザインはもちろん、別注(オーダーメイド)でロゴを入れることもできます。オリジナルでブランドロゴを入れれば、製品のワンポイントとしても使えます。また、金属ドットボタンにも多くのメッキや塗装カラー展開があり、プラスチックドットボタンもツヤ・ケシともに色展開が豊富です。生地に合わせたカラーで製品のデザインに溶け込むように使用することもできます。使いたい色が無い場合は、ロットは掛かりますがオリジナルで塗装も可能です。
他にも、あえて古めかしい感じに変色しているビンテージ調のドットボタンもあります。製品のデザインに合わせて、ワンポイントにも、目立たせないようにも使えることがドットボタンの魅力です。
代表的なドットボタンの種類
ドットボタンは大きく分けて「金属ドットボタン」「プラスチックドットボタン」の2種類があります。
1.金属ドットボタン
金属ドットボタンとは、金属でできているドットボタンのことです。
金属ドットボタンは、プラスチックと比べると高級感・重厚感があり、その分重みがあります。そのため、生地が厚くてしっかりしているジーンズや革などによく使われています。
代表的な金属ボタン
- ミシェール(YKKSF)・5BX(モリト)
- パーメックス(YKK SF)・セレックス(モリト)
- ベルナップ(YKK SF)・リングドット(モリト)
- ブラインドホック
- WFフック/ホルダー(YKK SF)・カンタックス(モリト)
ミシェール(YKKSF)・5BX(モリト)
ミシェール(5BX)とは、比較的ソケットの凹部分とスタッドの凸部分が小さなドットボタンです。凹凸部分が小さいため、着脱はソフトタッチです。ダウンジャケットやコートなどのカジュアルウェアやゴルフ・テニスなどのスポーツウェアのアウターによく使われています。二本のバネパーツで固定していることから二本バネタイプのドットボタンともよばれています。
パーメックス(YKK SF)・セレックス(モリト)
パーメックス(セレックス)とは、ソケットの凹部分とスタッドの凸部分が比較的大きいドットボタンです。機能的にしっかりとした着脱で、ミシェールに比べ外れづらいのが特徴です。防寒ウェアやユニフォーム、トラベルバッグ、ジャンバーなどによく使われています。丸型のバネパーツで固定することから丸バネタイプのドットボタンともよばれています。
ベルナップ(YKK SF)・リングドット(モリト)
ベルナップ(リングドット)とは、キャップとホソ(ポスト)に複数のツメが付いていてそれをカシメて取り付けるタイプのドットボタンです。
通常のドットボタンは主に伸びない布帛生地向けで1本のポストを通してカシメます。ニットやカットソーなど目が動き伸縮性がある生地や、薄手の生地は穴から抜け落ちたり、生地が破れてしまったりして使用することができない場合が多いです。しかし、ベルナップなどのリングドットタイプであれば、生地に複数のツメで固定するため、生地への負担が分散されます。そのため、伸縮性のある生地・薄手の生地にはベルナップがおすすめです。
また、ベルナップはパール調のものや刻印で模様を入れたものなど、豊富な種類も特徴の一つです。
ブラインドホック
ブラインドホックとは、カクシタイプの新型ドットボタンで、バネの穴がない形状と、円筒状ですっきりとしたゲンコが特徴です。通常のドットボタンと比較して、内側部分がすっきりしているおしゃれなタイプのドットボタンです。そのため、カジュアルアウターの襟元の見開き部分など、アンダーパーツが見える場合におすすめです。
通常カクシタイプで使用しますが、キャップを付けて使用することも可能です。
WFフック/ホルダー(YKK SF)・カンタックス(モリト)
カンタックスとは、パンツのワンポイントに使用できるバネ(ソケット)とゲンコ(スタッド)が前カンタイプになっているドットボタンです。
スライドタイプなので、取り付け時の位置合わせが通常のドットボタンと比べて簡単にできます。力の無い子供でも簡単に着脱できるので、キッズパンツなどによく使われています。
2.プラスチックドットボタン
プラスチックドットボタンとは、プラスチック(主にポリアセタール)でできたドットボタンです。金属ドットボタンと比べると軽いため、子供向けの衣類やスポーツウェアでよく使われています。ツヤ有りとツヤ消しがあり、豊富なカラー展開が魅力です。
また、レーザー彫刻でオリジナルのロゴを入れることもできます。
代表的な資材メーカー
国内外のファスナーの代表的な資材メーカは以下
YKKスナップファスナー株式会社
メーカー名 |
YKKスナップファスナー株式会社 |
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URL | https://www.ykksnap.co.jp/ |
YKKスナップファスナー株式会社(以下YKK SF社)は、YKKの子会社です。YKKと聞くとファスナーのイメージが強いかと思いますが、スナップボタン、タックボタン、リベット等の服飾資材の製造販売をしているメーカーです。
金属ドットボタン、プラスチックドットボタンのどちらも取り扱っています。
モリトアパレル株式会社
メーカー名 | モリトアパレル株式会社 |
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URL | https://apparel.morito.co.jp/ |
モリトアパレル株式会社(以下モリト社)は、ハトメ、ホック、面ファスナーなどの服飾資材を中心に、製品・半製品のOEM生産、靴資材など幅広く企画開発を行っている服飾付属品の専門商社です。 創業からの主幹商品であるハトメ、ホックをはじめ「とめる・あわせる・高機能」をテーマとした様々な服飾付属品(パーツ)を主にアパレル業界(カジュアル、紳士、婦人、ユニフォーム、ワーキングウェア)へ幅広く販売しています。
モリトの打ち機は海外で生産しているドットボタンにも対応していることが多いため、海外の工場はモリトの打ち機を持っているケースが多いです。
金属ドットボタンを取り扱っています。
ゴンドラ商事株式会社
メーカー名 | ゴンドラ商事株式会社 |
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URL | http://www.gondola.co.jp/ |
ゴンドラ商事株式会社は、スナップボタン・ドットボタン・フック・バックル等を取り扱っているメーカーです。世界最小のホックと言われている「Mint(ミント)」や、伸縮性の高いニット生地にも対応できるツメ+ハトメ式のドットボタンなど、ゴンドラ商事独自のアイテム展開をしています。金属ドットボタンのみの取扱いとなります。
株式会社カジテック
メーカー名 |
株式会社カジテック |
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URL | https://www.kajitech.online/ |
株式会社カジテックとは、糸切れが少なく生地にやさしい構造のプラスチックドットボタン「SUN GRIP(サングリップ)」などを展開しているメーカーです。ベビー向けのポリアセタール製ドットボタンや耐熱性のあるナイロン製のドットボタン、金属ドットボタン風のプラスチックドットボタンなど用途に応じて幅広く展開しています。
取扱い上の注意
ドットボタンは、生地に穴をあけて2つのパーツで挟みこむことで固定しています。
簡単に抜けてしまうことがないように取り付け生地との相性確認も必要ですが、無理に引っ張ってドットボタンが抜けてしまう、という事故も多くあります。
製品を長く着用するためにも、ドットボタンの着脱は丁寧に行ってください。
製品のフロントにいくつかドットボタンが付いている場合でも、引っ張って一回でまとめて開けずに、ひとつずつ丁寧に開けましょう。
選定ポイント
基本的な選定ポイントとして、《デザイン》《製品の着用シーン》≪使用箇所≫《生地との相性》について説明致します。
3つの基本的な選定ポイント
基本的な選定ポイントとして、《デザイン》《製品の着用シーン》《生地との相性》について説明致します。
ポイント1.デザイン
ドットボタンにはいくつかデザインがあるので、デザインを基準に製品のテイストに合っているものを選び、その中で生地との相性が良いものを絞る、という選定の仕方ができます。
例えば通常のドットボタンよりもバネ(ソケット)、ゲンコ(スタッド)が見える仕様で使いたい場合は、高級感のあるブラインドホックがおすすめです。ロットは有りますが、ゲンコ(スタッド)部分に刻印を入れることもできます。
また、キャップのデザインも種類が豊富です。こちらも定番の柄以外にも別注(オーダーメイド)でロゴを入れることもできます。
ポイント2.製品の着用シーン
製品をどんなシーンで着用するかも、ドットボタン選定の重要なポイントになります。
スポーツウェアなどできる限り軽量化したい製品や、金属を使うと当たったときの危険を回避したい場合などはプラスチックドットボタンの使用をおすすめします。スポーツ用の衣類に金属を使いたい場合は、プラスチックドットボタンでも金属のような外観にした金属調プラスチックボタンもございます。
ポイント3.使用箇所
どこにドットボタンを使うのかも、選定のポイントです。
例えばブルゾンのフロントに金属ドットボタンを5,6個並べて使う場合、種類にもよりますが、通常のタイプだとバネ(ソケット)の中に入っている金属のバネが、揺れるたびにカチカチと鳴ってしまって煩わしく感じることがあります。そういった場合は、バネが樹脂になっているタイプのドットボタンを使用すると、音を軽減することができます。
ポイント4.生地との相性
ドットボタンを選定する上で、「生地との相性」も重要なポイントとなっています。
ドットボタンは、生地に穴をあけて2つのパーツで挟みこむことで固定しています。そのため、基本的にニットなどの伸縮性のある生地や、薄い生地には不向きです。
芯地を貼ったり、テープをたたきつけたりすることで生地厚みを持たせ、伸びを止めて打つ、など生地自体を補強して対策をすることもありますが、ツメが付いているタイプのドットボタンを使用することもおすすめです。ベルナップ等のツメ付きタイプのドットボタンは、生地に数か所穴をあけて固定するため、生地への負担が分散され、抜けにくくなります。
また逆にシープボアなどの生地は、厚すぎてドットボタンの脚が対のパーツに届かず、抜けてしまう事があります。そういった生地にはドットボタンは不向きなので、ファスナーや手付けのスナップ等 別の資材を使うようにしてください。
資材発注時の注意とポイント
ドットボタンは4pcs/setとなっていて、また必要な場合はパッキン、駒も手配する必要があります。パーツがたくさんあるため、以下の点に注意してトラブルを防ぐようにしましょう。
ドットボタンの発注時の注意とポイントは5つ
以下、それぞれの注意とポイントです。
発注時の注意とポイント1.パッキンの発注漏れ
資材発注において、忘れやすいですが重要なのが「パッキン」です。
見た目は変わらないため、サンプル時は無くても気が付かないことが多いですが、薄い生地に対してパッキンを付けずに量産生産の進行してしまうと、簡単に抜けてしまいクレームの原因となってしまいます。サンプル時に、パッキンを付けていない場合の強度を確認し、必要であれば必ずパッキンも一緒に発注をするようにしてください。
また、基本的にパッキンは下組(ゲンコ(スタッド)+ホソ(ポスト))の間に付けますが、上組にもパッキンを付けることもあります。例えば表生地にキャップが見えないような仕様(カクシ使い)の場合は、表生地を挟まない分、通常よりも挟む生地が薄く外れやすいため、上組にもパッキンを付けます。その場合だと、ドットボタン1setに対してパッキンは2pcsと、2倍になるのでさらに注意が必要です。
パッキンに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ドットボタンを打つ際、方法は合っているはずなのに、うまく打てない!打てたけど、なんだか深く打ちすぎ?なのか、ドットボタン…
発注時の注意とポイント2.駒・打ち機違い
資材を発注する際は、駒・打ち機にも注意が必要です。
縫製する工場が決まっている場合、工場にある打ち機の種類を必ず確認するようにしてください。YKK SFの打ち機の場合、駒の挿入部に互換性がないのでモリト製や他海外製のドットボタンを打つことはできません。反対も同様です。その為、初めて使う工場の場合は特に、必ず最初に打ち機の有無、種類を確認し、対応しているドットボタンを発注するようにしてください。
また、駒はドットボタン各品番・サイズごとに種類が違います。打ち機が合っていても駒が違っては正しく打つことができないので、駒の発注にも注意が必要です。
発注時の注意とポイント3.発注数量不足
ドットボタンを発注する際のロスは、他資材よりも多めに試算しておくのがおすすめです。ドットボタン以外でも、打ち機で打つパーツに共通して言えるのですが、打ち損じ等でロスが発生しやすいためです。急ぎで追加手配となってしまうと、工場へ出荷する際の運賃の方が高くついてしまう・・・ということになりかねないので、多めに見積もって発注しておくのをおすすめします。
縫製工場へデリバリーする際のポイント
ドットボタンは、縫製工場内で打ち機を使って打つ、という過程があるため工場から「足りない」や「打てない」という連絡が届くことも多いです。
下記2項目に注意をして、スムースにデリバリーが行えるようにしましょう。
以下それぞれの詳細です。
注意点1.駒の管理に注意
縫製工場との問題になりがちなのが、駒の管理です。
毎シーズン同じ工場で依頼をしている場合、基本的に同じ種類のドットボタンで、駒が劣化していなければ、前シーズンと同じ駒を使うことができます。しかし縫製工場は他ブランドの仕事も請け負っているため管理が間に合わず、どれが該当する駒なのか分からなくなってしまったり、駒を紛失してしまったりすることがあります。
駒は4パーツ全てにそれぞれ必要で、種類にもよりますが駒代で総額1万~2万円ほどすることが多いです。高額なものになるため、打ち終わったら品番が書かれている袋にしまうなど、管理を徹底してもらえるようアナウンスしておくことが重要です。
注意点2.ドットボタン打ち不良における対処法
サンプルは手打ちの機械で取り付けていたり、ドットボタンだけ国内で打っていたりして、量産は工場にある自動機で打つ、となると、量産に入ってからドットボタンがうまく打てない、塗装が剥げるなどと工場から連絡が来ることがあります。
よくある原因は以下3つ。
それぞれについて、下記にまとめましたので、連絡が来た際はまずはこれらを確認してください。
原因1.打つ力が弱すぎる、強すぎる
ドットボタンを打つ力を自動調節してくれる機械であれば問題ありませんが、自分で調節する場合、力が弱すぎるとすぐに外れてしまい、強すぎると塗装が剥がれたり、ドットボタン自体が歪んでしまい、噛み合わなくなったりします。
「歪む」「上組と下組が噛み合わない」「すぐ外れる」などの場合は、打つ力が適切かどうかを確認してみてください。
原因2.違う駒を使っている
基本的に駒はそれぞれのパーツにぴったりはまるように作られていますが、似たような形状のドットボタンで、違う品番なのに一見問題無くはまってしまうものもあります。
サンプルでは問題なかったけど、量産に入って打ち続けていたらロスが多くて気が付く、ということもあるので、「塗装が剥がれる」「3回に1回くらいしかうまく打てない」という場合は、使っている駒が正しいものかどうかを確認してください。
原因3.駒を打ち機に正しく取り付けられていない
駒を打ち機に取り付ける際、取り付け方が甘くガタガタしていたり、奥まで入っていなかったりするとうまく打てないことがあります。
また、新品のネジ式の駒には包装用のテープが巻かれていることがあるのですが、そのテープを剥がさずにそのまま無理やり打ち機に取り付けてしまい、うまく打てない、というケースも過去にありました。「歪む」「塗装が剥がれる」「3回に1回くらいしかうまく打てない」などという場合は、一度駒を打ち機から取り外し、正しく付いているかを確認してください。
ドットボタンの打ち方については、こちらのYouTube動画でも紹介しております。
小売の際の注意とポイント
販売スタッフ・消費者等に必要なアナウンス
消費者の手に渡った後、消費者側が衣類のメンテナンスをする際に誤った方法をとってしまい、トラブルになるというケースが起こります。以下のケースに注意をしていただけるよう、事前アナウンスを行うのがポイントです。
主な《消費者》へのアナウンス
- 生地の破れに注意
- メッキ・塗装の剥げに注意
- 金属ドットボタンを濡れたまま放置しない
生地の破れに注意
ドットボタンから遠い部分を無理に引っ張って開けようとすると、生地が破れてしまうことがあります。必ず着脱は丁寧に行ってください。
メッキ・塗装の剥げに注意
固いものに思いきり当たると、ドットボタンのメッキや塗装の剥げの原因となりますので、注意してくだい。
金属ドットボタンを濡れたまま放置しない
金属ドットボタンは、金属製なので濡れたまま放置すると腐食する恐れがあります。
塗れてしまった場合はすぐにふき取るようにしてください。
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YKK SFのプランサーLキャップデザインに、プラスチック製なのですが、見た目を金属ドットボタンに近づけたものがあります。直接触るとプラスチックと分かりますが、遠目で見ると分からないくらい金属感が表現されていて面白いです。金属ドットを使いたいけどスポーツ向けの衣類だから難しい、などという場合におすすめしたいドットボタンです。
まとめ
ドットボタンを正しく理解してクレーム・縫製工場とのトラブル回避!
パチッと着脱音が気持ち良いドットボタン。4つのパーツからできているので一見複雑そうですが、分かると奥が深くて面白いです。また、生地に直接取り付けるため、生地との相性がとても重要になってきます。正しく理解することで、クレームや縫製工場とのトラブルを防げるようにしましょう。
参考文献
- 『ドットボタンがうまく打てない!上下が噛み合わない!その原因はパッキンかも?』ークロップオザキスタッフブログ
- 『ドットボタンを使う際に注意すべき3つの生地』ークロップオザキスタッフブログ
- モリトカタログ
- YKKスナップファスナー カタログ