ファスナーを最短で手配する方法|納期を早める4つの裏ワザと注意点

ファスナーを手配する際の納期は、基本的に「約1か月以上はかかる」と言われます。それは、日本で9割以上のシェアを誇るYKKのファスナーを含め、ファスナーは色、エレメントの種類、スライダーの種類、長さなどをそれぞれカスタマイズしてつくられており、種類が非常に多く、受注生産で対応しているためです。受注が入ってから生産(組み立て)をするため、どうしても1か月程度はかかってしまいます。しかし、方法によっては1週間程度で入手できることもあります。「どうなっているの?」「ファスナーが早く届く方法ってあるの?」そう思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、緊急時に役立つ「ファスナーを最短で手配する裏ワザ」についてご紹介したいと思います。「トラブルが起きたときのために学んでおきたい!」という方は、ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです。

裏ワザ① ファスナーには「在庫」している品番がある

ファスナーは「基本的に」受注生産です。そのため、工場に発注すると約1か月、混み合っている場合は2か月ほどかかってしまうこともあります。しかし、定番品のファスナーの場合、問屋やファスナー加工場で在庫を持っていることがあります。長物(長めの状態)の在庫から長さを短く加工したり、チェーン状でテープのように在庫されているファスナーをカットし、スライダーや止め具を付けて加工するケースもあります。急ぎで必要な場合は、このような加工場や問屋の力を借りることで、YKKに受注生産を依頼するよりも早く仕上げられる場合があります。
ただし、依頼する際にはいくつか注意点があります。

注意点① 大量対応は難しい

加工場に在庫しているファスナーは、主にサンプル対応用として保管されています。また、加工場は日々サンプル対応に追われているため、300本以上などの大量加工は対応できない場合もあります。使用する品番やタイミングによって異なりますので、まずは相談してみることをおすすめします。

注意点② 単価が上がる

在庫品を使用する場合、見えない経費(在庫管理費や保管スペース代)がかかるほか、カットや加工の工賃も発生します。そのため、単価は高くなりがちです。品番にもよりますが、YKKの受注生産と比べて2倍〜5倍以上になることもあります。

注意点③ 上止めが金属になる

コイルファスナーやビスロンファスナーなどの樹脂製ファスナーをYKKで工場手配すると、上止めはエレメントと同色の樹脂(または透明樹脂)になります。しかし、在庫品をカット加工する場合は、上止めが金属製になることがほとんどです。これは、後付け加工になるため、樹脂成型の止め具が使用できず、金属で挟み込む仕様になるためです。止めが見えない仕様であれば問題になりにくいですが、ブルゾンの前開きファスナーなど、表に見える仕様では目立つことがあるため注意が必要です。

金属の上止め(表から見た様子)
金属の上止め(裏から見た様子)

裏ワザ② 海外YKKで手配する

YKKファスナーは日本では富山県黒部市で製造されていますが、世界73か国に拠点があります。「日本で生産して海外縫製工場へ送ると納期が間に合わない…」という場合は、縫製工場のある現地でYKKファスナーを手配する方法もあります。縫製工場の多い中国やベトナムにもYKKの工場があります。手配ルートさえ確保できれば、海外YKKでも同様の商品を発注することが可能です。

世界にあるYKKの拠点(YKK HPより参照)

注意点① 海外YKKに無い品番もある

規格によっては、日本では展開していても、海外では扱いがない品番もあります(その逆もあります)。事前に希望品番が展開されているか確認しておきましょう。

注意点② 品質に差がある場合も?

YKKの公式では、どの国で生産しても品質は同等とされています。ただし、現場では「日本YKKのほうが品質が安定している」と感じるケースもあります。

裏ワザ③ 長物で手配し、後からカットする

これは、急ぎで来るであろうサンプルに備えて準備しておく対応策です。「品番や色は決まっているけれど、長さが決まらず発注できない…」という状況はよくあります。
長さはパターン完成後に決めたい場合が多いためです。このような場合は、あらかじめ長物(例:前立て用20cm、ブルゾン用80cmなど余裕を見た寸法)で工場手配をしておき、寸法確定後に加工場で調整します。カラーと種類だけでも先に決めておくことで、受注生産を前倒しできます。

ファスナー加工の様子(手で加工する場合)

ご自身で長さを調節したいという場合は、こちらの動画を参考にしてみてください。

注意点① 金額は「長物単価+加工賃」でコスト高

必要寸法より長い状態で発注するため、1本あたりの単価は高くなります。さらに加工賃も加算されるため、コストは割高になります。

注意点② 基本的にサンプル対応のみ

長さ調整には時間がかかるため、量産の数量では対応が難しい場合があります。加工場が混雑していると、受注生産と納期が変わらなくなることもあります。基本的にはサンプル対応で使える策と考えておきましょう。なお、縫製工場によっては長物を自社で加工できる場合もあるため、そもそも長さを加工する必要があるかどうかは、事前に確認しておくと良いでしょう。

裏ワザ④ 使用カラー・種類を固定する

これは裏ワザというより、ブランド方針に近い考え方です。急ぎ手配が多い場合は、定番カラー・定番品番を決めておくのも有効です。あらかじめ長物で生産し、在庫としてストックしておけば、必要時にすぐ加工対応できます。加工場によっては、ブランド専用在庫として保管してくれる場合もあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、ファスナーを最短で手配する裏ワザをご紹介しました。「裏ワザ」とはいえ、基本的には発注順で進むため、余裕を持った発注が最も重要です。ただ、どうしても急ぎになる場面もあります。そんなときは、今回の方法を思い出していただけたら幸いです。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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