&CROP編集部の野崎です。
パンツやスカートなど、さまざまな製品に使われているウエストゴム。身近な資材ですが、「いつも使っている定番品だから」という理由で選ばれることも少なくありません。しかし、ウエストゴムは素材・厚み・伸び方・キックバック(引っ張ったときに戻る力)によって、着心地やフィット感が大きく変わります。同じデザインの製品でも、ゴムの選び方ひとつで「締め付け感が少なく快適」「長く使っても伸びにくい」といった差が生まれます。
本記事では、ウエストゴムを選ぶ際に押さえておきたい「キックバック」「厚み」「素材」などのポイントをわかりやすく解説します。こだわったものづくりのお役に立てれば幸いです。
もくじ
ウエストゴム選定のポイント
ここからは、ウエストゴム選定のポイントを5つ解説していきます。
- 使う場所|見える部分か、見えない部分か
- キックバック(引っ張ったときに戻る力)の強さ
- ゴムの風合い|ハードタイプとソフトタイプ
- ゴムの厚み
- ゴムの素材|ポリウレタンと天然ゴムの違い
使う場所|見える部分か、見えない部分か
ウエストゴムには、ゴムが外から見える仕様と、見えない仕様(生地の中に通して縫製する仕様)の2種類があります。
見える部分に使うウエストゴム
外から見える部分に使うウエストゴムは、表面の質感やカラー展開の豊富さが選定のポイントになります。商品によっては高級感のある質感のものや、ボーダー柄・ラメ入りなどデザイン性の高いものもあります。見えない部分に使うゴムと比べて、単価は高くなる傾向があります。
見えない部分に使うウエストゴム
見えない部分に使うウエストゴムは、表面の質感よりも機能性とコストが選定のポイントになります。一見似たようなゴムでも、キックバックの強さ・厚み・風合いはメーカーによって異なります。外から見えない部分に使うため、カラー展開は白・黒の2色のみであることがほとんどです。
以降でご紹介する選定ポイントは、見えない部分に使うウエストゴムを前提として解説していきます。
キックバックの強さ
キックバックとは、ゴムを引っ張ったときに元に戻ろうとする力の強さのことです。ウエストをしっかり締めたい場合や、ハリのある生地に合わせて使用したい場合はキックバックが強いゴムを選びます。反対に、締め付け感を抑えたい場合や柔らかい生地に合わせる場合は、生地の風合いに馴染むようキックバックが弱めのゴムを選ぶとよいでしょう。
キックバックの強さは写真では伝わりにくいため、サンプルを実際に引っ張って比較することをおすすめします。
※締め付け感の強弱は、キックバックの強さだけでなく、ゴムの用尺(使用するゴムの長さ)によっても変わります。
風合いの硬さ|ハードタイプとソフトタイプ
ウエストゴムは多くのメーカーで「ハードタイプ」「ソフトタイプ」の2種類が展開されています。これはキックバックとは別の概念で、ゴム自体の風合い(硬さ・柔らかさ)を指しています。
ハードタイプはハリがあってしっかりしているため、アウターパンツやワークパンツなど、しっかりとした生地のアイテムに向いています。一方、ソフトタイプは柔らかく生地になじむため、スウェットパンツやルームウェアなど、柔らかい素材のアイテムに向いています。
ここでのポイントは、キックバックとゴムの風合いは別の概念だという点です。キックバックはゴムが伸びたときの「戻る力の強さ」を、風合いはゴム自体の「硬さ・柔らかさ」を指します。この2つの組み合わせによって、ゴム全体の使用感が決まります。
ゴムの厚み
各メーカーのウエストゴムには、わずかな厚みの違いがあります。厚みは、使用する生地が薄いほどシルエットへの影響が大きくなります。スポーティーなパンツで軽量化を重視する場合や、薄手の生地に使用してウエスト部分をすっきり見せたい場合は、薄めのウエストゴムを選ぶとよいでしょう。
厚手のゴムは、定番品とは別に販売されていることもあります。一方、定番のウエストゴムはサンプル帳に厚みが記載されていないことも多いため、実際にサンプルを取り寄せて比較することをおすすめします。
また薄手のゴムで吸汗速乾機能のある糸(異形断面糸)を使った吸汗速乾機能付きのウエストゴムもあります。
当社ショールーム(東京・秋葉原)にお越しいただければ、各メーカーのゴムサンプルを直接手に取って比較することも可能です。
ゴムの素材|ポリウレタンと天然ゴムの違い
ウエストゴムに使われるゴム素材は、現在ではほとんどがポリウレタンです。ポリエステル繊維にポリウレタン糸(PU糸)を組み合わせた構造になっています。
ただし、ポリウレタンは素材の特性上、使用環境・保管環境によって異なりますが、水分・熱・紫外線の影響を受けやすく、2〜3年ほどで加水分解による経年劣化が進みます。劣化するとポリウレタン糸が切れて飛び出してきたり、キックバックが弱くなったりすることがあります。
数十年前までは、天然ゴム素材のウエストゴムも展開があり、ポリウレタンのウエストゴムよりもコストを抑えられることから、天然ゴムを使用するケースもありました。しかし、ポリウレタンと比べて天然ゴムのほうがへたりやすく、現在はポリウレタンが主流となっています。
まとめ
ウエストゴム選びは、製品の着心地や品質を左右する重要なポイントです。しかし、カタログだけではキックバックや風合いの違いを判断することは難しく、実物を比較することが最も確実な方法です。
当メディア&CROPを運営する株式会社クロップオザキでは、さまざまなメーカーのウエストゴムを取り扱っており、ショールームでは実際に手に取って比較していただくことも可能です。製品に合ったウエストゴム選びでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!