スレキの選び方完全ガイド|素材・厚み・価格帯と失敗しないための注意点

&CROP編集部の野崎です。
洋服のポケットに使われる生地のことを「スレキ」や「袋布(ふくろぬの)」と呼びます。皆さまのブランドでは、スレキをどのように選んでいますか?スレキには、厚みや素材の種類などさまざまな選択肢があります。本記事では、「どれを選べばよいか分からない」という初心者の方向けに、基本的なスレキの選び方について解説します。

「スレキ」という生地の特徴

裏地とスレキは何が違うのでしょうか。裏地をポケット用の生地として使用することもありますが、スレキ生地の大きな特徴は「引き裂き強度・引っ張り強度が高いこと」です。ポケットには物を入れるため、生地への負荷がかかりやすくなります。スレキとして販売されている生地は、ポケットに物を入れたときに裂けたり破れたりしないよう、裏地として販売されている生地よりも、特に引き裂き・引っ張りに強く作られています。また、スレキとして販売されている生地のほとんどは綾織です。平織・綾織・朱子織という三原組織の中で、綾織が最も摩擦や引っ張りに強い織り方であるためです。場合によっては、平織の生地をスレキとして使用することもあります。

スレキは裏地で代用できる?

裏地での代用は可能です。その場合は、裏地の中でも引き裂き・引っ張り強度の高い生地を選ぶと良いでしょう。生地メーカーによっては、引き裂き・引っ張り試験のデータを取得している場合もあります。代用を検討する際は、試験データを取り寄せて確認することをおすすめします。

スレキの代用例

スレキの選び方

スレキは、以下の4つの観点から選ぶことができます。

  • 風合い(素材)で選ぶ
  • 価格帯で選ぶ
  • 厚みで選ぶ
  • 色展開で選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

風合い(素材)で選ぶ

スレキによく使われる素材には、綿・T/C(ポリエステルと綿の混紡素材)・ポリエステルの3種類があります。基本的には、表地の風合いに合わせてスレキの素材を選ぶことが多いです。

表地が綿であれば綿またはT/Cスレキ、表地がポリエステルであればT/Cスレキを選ぶのが一般的です。ただし、綿ライクな風合いを持つポリエステル表地の場合は、風合いを合わせるために綿やT/Cスレキを選ぶこともあります。素材の風合いにこだわらず、コストを優先したい場合はポリエステルスレキが選ばれます。

綿スレキ
T/Cスレキ
ポリエステルスレキ

価格帯で選ぶ

スレキの価格は素材によって大きく異なります。一般的に、最も安価なのはポリエステル、次がT/C、最も高価なのが綿です。

表地が綿であっても、コストを抑えるためにT/Cスレキを選ぶケースも少なくありません。また、綿スレキは色によって単価が異なることがほとんどです。濃色の場合は染色にコストがかかるため、単価が高くなる傾向があります。そのため、「綿スレキを使いたいがコストを抑えたい」というブランドが、表地の色に関わらずスレキはすべて白で統一する、という判断をするケースもあります。

濃色の綿スレキ

厚みで選ぶ

同じ素材でも、厚みには複数の種類があります。例えば綿スレキの場合、最もよく使われる標準的な厚みのスレキを「4号スレキ」と呼ぶことがあります。

4号スレキはレディースのパンツやスカートのポケットに多く使われます。それよりも厚みのあるスレキは、メンズのパンツに使われることが多いです。これは、男性のほうが財布や携帯など重いものをポケットに入れる傾向があるためと言われています。

4号スレキ(薄手)
1000スレキ(少し厚手)

また、スレキの厚みは表地の厚みや柔らかさとのバランスも重要です。薄くて柔らかい表地に厚いスレキを組み合わせると、表からポケット部分がボコッと盛り上がって見えてしまい、見栄えが悪くなることがあります。表地の特性に合わせた厚みを選ぶようにしましょう。

色展開で選ぶ

色展開が最も豊富なのは綿スレキです。表地と色を合わせて選びたい場合は、綿スレキの中から探すと良いでしょう。T/Cやポリエステルのスレキは、白・黒・ベージュ・グレーなど限られたカラー展開であることが多いです。また、綿スレキの中から表地と近い色が見つからない場合は、スレキ生地ではありませんが、綿のローン生地(平織の薄手生地)の中から近い色を探して代用するケースもあります。ただしローン生地を使用する場合は、強度の確認を忘れずに行ってください。

綿スレキ(4号スレキ)のカラーバリエーション

スレキを選ぶ際の注意点

ここからは、初心者の方が失敗しやすいスレキ選びの注意点をご紹介します。

  • 綿スレキの色落ち
  • スレキの「透け」問題
  • スレキ用途での生地の強度に注意

綿スレキの色落ち

スレキに限った話ではありませんが、染色された綿素材の生地は色落ちしやすい傾向があります。綿スレキも同様に、基本的には色落ちするものと考えておくことが大切です。特に濃色については、染色堅牢度が2〜3級の商品も存在します。

※染色堅牢度とは、生地の色が摩擦・洗濯・汗などによってどれだけ変化しにくいかを示す指標です。5級が最高で、数値が低いほど色落ちしやすいことを示しています。

こうした特性から、スレキは基本的に表地と同色か、表地より薄い色を選ぶことをおすすめします。T/Cやポリエステルのスレキは綿と比べて染色堅牢度が高く、色落ちのリスクを抑えやすいです。

スレキの「透け」問題

「スレキは基本的に同色使いで」とお伝えしましたが、表地が白い場合は透けへの注意が必要です。白い表地に白いスレキを使うと、スレキが重なっていない部分(肌が直接あたる部分)が透けて見えてしまいます。肌のベージュや下着の色が透けて目立つ原因になります。そのため、白い表地のアイテムにはベージュのスレキを使うことが一般的です。

スレキ用途での生地の強度に注意

ポケットに重いものを入れたときに生地が裂けてしまわないよう、引き裂き・引っ張り強度の高い生地を選ぶことが重要です。スレキとして販売されている生地であれば基本的には問題ありませんが、メンズ製品のように重いものを多く入れる使用が想定される場合は、レディースよりも厚手のスレキを選ぶなど使い分けをするブランドもあります。スレキとして販売されていない生地をポケットに使用する際は、必ず引き裂き強度・引っ張り強度の試験データを確認した上で選定するようにしてください。

まとめ

今回は初心者の方向けに、カジュアルウェアを想定した織物スレキの選び方をまとめました。素材の風合い・価格帯・厚み・色展開という4つの観点から自分のブランドに合ったスレキを選ぶことで、仕上がりのクオリティと着心地の両立が可能になります。なお、スポーツウェアの場合はニット素材のスレキ(トリコット・起毛トリコット・メッシュなど)を使うケースもあります。ニット素材のスレキについても、別記事で詳しく解説予定ですのでお楽しみに!

本メディア&CROPを運営する株式会社クロップオザキでは、スレキの手配も承っています。「何を選べばよいか分からない」「実際にサンプルを見て比較したい」という方は、お気軽にご相談ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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