&CROP編集部の野崎です。
アパレルブランドを運営されている方が、
- 作っている服にさらに付加価値を付けたい
- ブランドとして何か特別感を出す方法はないか
- 細部までこだわって服づくりがしたい
と考えたときに、オリジナルで特別感が出せる方法の一つが、ロゴやブランド名が入った別注資材を作ることです。
※別注とは…「特別注文」の略で、量産品ではなく特別に注文して作ること。この場合は、資材の形からオリジナルで作ったり、定番の形にブランド名やロゴを入れることを指します。
別注資材の中でも、初期費用が比較的抑えられておすすめなのが、定番型のボタンにレーザー加工をする別注ボタンです。
今回はボタンのレーザー加工の種類を見ていきたいと思います。
この記事をお読みいただければ、どんなレーザー加工でボタンを作成するか、アイデアを膨らませることができますよ!また、大体の予算感もまとめていますので、参考になりましたら幸いです。
ボタンのレーザー加工とは
ボタンのレーザー加工とは、レーザーを使ってボタンにブランド名やロゴ、柄などを入れる加工です。
レーザーの光を集光レンズで細く絞り、ボタンに照射して、照射された箇所を部分的に溶かすことで、照射された部分が凹になります。
ボタンのレーザー加工のメリット
- 定番型のボタンにロゴを入れることで、製品のオリジナル性を上げることができる
- 型から別注で作成するよりも初期費用を抑えることができ、小ロットで生産ができる
型からオリジナルで作成すると、型代として数十万かかるのに対し、レーザーの初期費用は型代約1.5~2万程度でおさまります。
その他にも、レーザー加工は使うボタンの素材によって見え方が違うことも面白いポイントです。こちらは後ほど詳しくご紹介させていただきます。
彫刻する箇所やロゴのデザイン・使用するボタンの形によって見え方が様々なので、ここから3つのポイントに分けて、メジャーな種類をご紹介いたします。
ボタンのレーザー加工の種類
ボタンのレーザー加工の種類は、大きく3つのポイントがあります。
レーザーを入れる(ロゴを入れる)位置
ボタンを機械に取り付けて固定させ、レーザーを照射するため、ボタンのどの箇所にもレーザーを入れられるというわけではありません。
基本的には表、サイドの2か所から選ぶことができます。
表レーザー
最も一般的な、ボタンの表にレーザーでロゴを入れる方法です。ボタンの円周に合わせ、弧を描くように入れていることが多いです。
単価は依頼するメーカーや作成する数量にもよりますが、ボタンの単価+約15円~40円程度となります。
サイドレーザー
ボタンの側面(サイド)にレーザーでロゴを入れる方法です。
表にロゴを入れるよりも目立ちませんが、横から見たときにさりげなくロゴが入っているので、高級感があり恰好良いです。
表レーザーよりも時間や手間がかかるため、単価は約1.3~1.8倍ほど上がりますが、人気が高いです。
サイドレーザーを入れる場合は、2mm以上の厚みのあるボタンを選びましょう。
レーザー加工を入れたロゴの色
レーザー加工自体に色を付ける機能は持ち合わせていませんが、レーザーで凹になった部分に色を入れたい場合は、下記の方法があります。
スミ入れ
レーザーで文字を彫った凹の部分にインクを入れることを「スミ入れ」と言います。スミ入れをする場合は少し深めにレーザーを入れて、その中にインクを入れていきます。
ボタンの種類にもよりますが、レーザーで凹凸を付けても、あまり凹んだ部分に色差が無いので目立たないことがあります。
スミ入れはインクの色を選ぶことができ、好きな色を入れることができるので、ボタンの色とのコントラストをはっきりさせて文字を目立たせることもできます、
単価は、ボタンの単価+約30~50円程度となります。
ボタンの素材による自然な色の変化
ボタンの素材の特性上、レーザーした部分の色が変化するボタンもあります。
- ポリエステルボタン…変化なし
- ユリア樹脂ボタン…白っぽくなる ※1
- 貝ボタン…変化なし
- 水牛ボタン…焦げのような茶色になる ※2
- 木ボタン…焦げのような茶色になる
- ナットボタン…染色されたナットボタンは、染色された層が剥がれてナットの元の色(アイボリー)になる(完全な元の色よりも染色のカラーが薄く残る)
- 金属ボタン…レーザーの強さにもよるが凹凸はできずに、メッキが剥がれて土台の色になる(メッキカラーによって出る色が変わる)※3
ナイロンボタン、アクリルボタン、エポキシボタンはレーザーができない素材となります。
※1 ユリア樹脂ボタンは白落としをして元のボタンと同色にすることも可能です。黒いボタンはレーザーした部分が白ではなくグレーっぽくなります。
※2 水牛ボタンは、焦げ落としをして元のボタンの色と同色にすることも可能です。焦げを残す場合はプレス等で焦げが落ちてしまうことがあるので、上からクリア塗装を施すと良いです。
※3 金属ボタンはレーザー加工で凹凸を出し、元のボタンの色と同色にする手法もあります。
マトーネ加工
二大樹脂ボタンであるユリア樹脂とポリエステルですが、ポリエステルは、ユリア樹脂と違い、レーザーでロゴを入れても凹部分に色が付くことはありません。
しかし、マトーネ加工というレーザーの方法を用いると、レーザーを入れたロゴの色が茶褐色になり、天然素材に加工を入れたようなリアルな雰囲気を表現できます。レンガ色に見えることから、イタリア語でレンガ=マトーネ加工と呼ばれています。
単価は通常のレーザー加工よりも高く、スミ入れよりはお安くなります。
変わり種レーザー加工
一般的なレーザー加工ではなく、あまり他ではやっていないようなレーザー加工のボタンをお探しの方にご紹介したいのが下記2種類です。
メタリック調塗装ボタンにレーザー加工
メタリック調の塗装を施したポリエステルボタンを使い、残したい文字の部分以外にレーザーを当てることで、文字だけにメタリック塗装を残したボタンです。
レーザー加工はレーザーの照射時間で金額が決まるため、文字以外の部分にレーザーを当てると、照射時間が長く高級なボタンになります。
ですが、通常のプリント等でロゴを入れるよりも、ロゴの部分にが輝いて見えるため、高級感は抜群です。※この手法の場合、ボタンのサイドにもメッキが付きます。
ミルフィーユボタンにレーザー加工
ミルフィーユボタンとは、色の違うポリエステル樹脂を何層か重ねたボタンのことです。表から見ると1色のボタンですが、側面から見ると層になっていることが分かります。
このミルフィーユボタンに、深めのレーザー加工を施すと、写真のように面白い表現のボタンになります。
また、レーザー加工といえば、ロゴが凹になるのが一般的でしたが、逆に文字を残してそれ以外をレーザー加工することで、文字を凸で表現するボタンもあります。
まとめ
レーザー加工といっても種類はいろいろ。ボタンのレーザー加工でお悩みの際は、クロップオザキにご相談ください。
ご紹介したように、レーザー加工といっても、種類はさまざまです。ロゴ入りボタンで、さらにこだわりの製品づくりを楽しんでくださいね!
「何のボタンを使うか迷っている」「自分のブランドにあったボタンを選びたい」「ロゴデータから作成して欲しい」等 ボタンのレーザー加工でお悩みごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
参考文献
レーザーマーカーの活用情報サイト マーキング学習塾 レーザー加工の原理