&CROP編集部の野崎です。
スピンドル(紐)が通る穴に使われることが多いハトメ。パーツとしては小さく目立ちにくい存在ですが、デザインのアクセントとして活かすことができます。ハトメまでこだわって選ぶことで、細部へのこだわりが伝わり、ブランドの世界観を表現することも可能です。そこで今回は、目立たないけれど、一工夫で差がつく!「ハトメ」について、種類やオリジナルロゴのバリエーションをご紹介します。細部までこだわって服を作りたいとお考えのアパレルの方は、ぜひご覧ください。
基本のハトメって?

まずは、基本のハトメから見ていきましょう。アパレルでは、一般的に金属製のハトメが使われていることが多いです。金属ハトメは、上側と下側の2つのパーツで生地の上下から挟むように取り付け、生地に同時に穴を開ける仕組みになっています。横から見るとアーチ形になっているのが一般的な形状です。
国内メーカーでは、YKK SF(スナップファスナー)社やモリト社のパーツがよく使用されています。 YKK SF社では#200(200アイレット)、#300、#500、モリト社ではSE200、SE300、SE500という品番が基本となっています。数字が大きくなるほどサイズも大きくなります。
カラー展開は、金属メッキのバリエーションに加え、ツヤ有り・ツヤ無し(マット)の塗装タイプもあり、カラーによって単価が異なるため注意が必要です。
参考リンク
いろいろなハトメ
ここからは、目を惹くさまざまなハトメの種類をご紹介していきます。
フラットハトメ

標準のアーチ形状に対し、フラットハトメは名前の通り表面が平らで、よりすっきりとスタイリッシュな印象を与えます。メーカーによりますが、基本カラーは定番品として在庫されていることが多いため、小ロットでも手配しやすい点が特徴です。
カスタム性
フラットハトメは、フラットな面を活かして、ロゴ入れなどの刻印がしやすいのも特徴です。刻印によるロゴ入れは100個からでも作成可能です。※別途小口代と金型費用がかかります。

圧着ハトメ

圧着ハトメは、ポリウレタンシートをドーナツ型にくり抜いたものの裏側に粘着性を持たせたハトメで、金属ハトメとは異なる生地との一体感あるデザインが特徴です。 服全体のデザインを妨げず、さりげなくこだわりを演出できます。
カスタム性
定番で在庫のある商品ではないため、使用したいサイズやカラーに合わせてオリジナルで作成します。使用する圧着シートの色や質感を選びましょう。上の写真のようなリフレクターシートを使ったり、圧着シートを2層重ねて上の層だけロゴをレーザーで抜くことで、凹凸のあるロゴ表現をすることも可能です。

こんなときにおすすめ!
- ハトメを目立たせたくないが、さりげなくこだわりを表現したいとき
- アスレチックウェアなど、軽量でシンプルに仕上げたいとき
注意点
圧着する性質上、生地との相性確認が必須です。必ず試験を行い、剥離が起きないか確認しましょう。 また、取り付けには熱と圧力・時間を調整できるプレス機が必要です。工場に設備があるか事前に確認してください。 さらに、淡色生地に濃色の圧着ハトメを使用すると色移りの恐れがあるため、配色使いは避けましょう。※ロットは仕様により異なりますが、小ロット対応が可能な場合もあります。詳細はご相談ください。
プラハトメ

金属ではなくプラスチック製のハトメです。軽量で錆びにくく、水に濡れやすい環境でも安心して使えます。
カスタム性
白・黒・ネイビー・クリア(透明)の4色が定番展開です。

こんなときにおすすめ!
- スポーツ・レインウェア・アウトドアなど、水に濡れることが想定される製品
- 軽さを重視したいウェアや雑貨
注意点
今回ご紹介のプラハトメはモリト社の打ち機で取り付け可能です。 見た目がシンプルである一方、素材の質感によってややチープに見えることもあるため、全体とのバランスを見ながら選びましょう。
シリコンハトメ

柔らかく安全性の高いシリコン素材のハトメです。ぶつかっても痛くなりにくく、キッズウェアにも安心して使えます。小さめの穴に太めの紐を通すことで滑り止め効果が生まれ、ストッパーを使わずとも紐が抜けにくくなるというメリットもあります。
カスタム性
定番カラーは白・黒・ネイビーですが、調色も可能です。ブランドカラーやテーマカラーに合わせた色で生産することができます。 裏側にはラムースを敷いた2層構造となっており、ラムースの色は展開色から選べます。

こんなときにおすすめ!
- スポーティな印象を出したいとき
- キッズウェアに安全性とデザイン性を両立させたいとき
注意点
圧着ハトメと同様、プレス機による取り付けが必要です。ハトメ穴のサイズに合わせて生地を抜いた上で、プレス機で接着します。 必ず試験を行い、剥離の有無を確認しましょう。
ハトメの選び方のポイント
生地に合った種類を選ぶ
金属やプラスチックなど、生地に直接打ち機で取り付けるハトメは、薄手や伸縮性のある生地に対してはパッキンを挟むことがあります。 反対に厚みのある生地では、ハトメの長さが足りず、取り付けできない場合もあるため、サンプルでの事前確認をおすすめします。

取り付け時の道具を確認する
ハトメの取り付けには打ち機やプレス機が必要で、メーカーによって規格が異なります。工場に対応機器があるかどうか、必ず確認してから発注しましょう。
内径寸法を確認
ハトメには外径と内径があり、紐が通るのは内径です。 特に、シリコンチップやシュリンクチップなど、太さのあるチップ加工をした紐を使用する場合は、内径に問題なく通るかどうか、確認を忘れずに行いましょう。

その他にもスピンドルにおけるよくある注意点はこちらの記事にまとめておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
&CROP編集部の野崎です。 前回の記事では、紐先加工の種類についてご紹介しました。[sitecard subtitle=前回の記事 url=https://media.cropozaki.com/solution/spindl[…]
まとめ
“小さなこだわり”が世界観をつくる
今回はさまざまな種類のハトメをご紹介しました。 ハトメは小さなパーツですが、見た人には伝わる“こだわり”を表現できる重要な存在です。 「いつも同じパーツを何となく使っていた」という方も、この機会にハトメにこだわってみてはいかがでしょうか。
クロップオザキでは、今回ご紹介したハトメを含め、アパレル資材全般を取り扱っています。 「相談してから決めたい」「発注方法がわからない」など、ご不明点がある場合はお気軽にお問い合わせください。
また弊社では、ショールームで誰でも気軽にハトメやスナップボタン、タックボタンなどを取り付けられる打ち機レンタルサービス「.crop(ドットクロップ)」を展開しています。今回ご紹介した通常の金属ハトメにも対応していますので、興味のある方はサービスページをご覧ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!