《アイテム別》アパレル業界でのボタンサイズ選びの基本ガイド

&CROP編集部の野崎です。

普段何気なく留めたり外したりしているボタンですが、着ている服に何㎜の大きさのボタンが使われているのか、ご存知ですか?ボタンのサイズはアイテムやデザインによってもさまざまで決まりがあるわけではありません。しかしアイテムによって、よく使われているサイズが決まっています。着るときはあまり気にしていなくても、服を作るとなると「何㎜のボタンを買えば良いんだろう?」と疑問に思うのではないでしょうか。そこで今回は、アイテム別によく使われているボタンのサイズをご紹介していきたいと思います。服を作るときの参考にしてくださいね。

今回ご紹介するアイテムは、こちら

  • シャツ
  • ジャケット
  • パンツ
  • コート
  • 番外編(力ボタン)

ボタンのサイズの測り方

まずはじめにボタンのサイズの測り方についてご説明します。

基本的に直径のサイズで表示される

ボタンのサイズは、基本的に円の直径のサイズで表示されています。単位は㎜(ミリメートル)です。よく使われているボタンのサイズだと、8mmから30mmまでが多いです。

ボタンのサイズの測りかた


ボタンサイズの選び方

シャツ

シャツ

前立て・カフス

シャツの前立てに使われているボタンのサイズは、11.5mmや10mmが一般的です。レディース・メンズ共通して11.5mmや10mmが多く使われていますが、中にはレディースで少し小さめのボタン(9mm)を使ったり、メンズは大きめのボタン(13mm)を使うこともあります。カフスにも前立てと同じサイズのボタンを使うことがほとんどです。

こちらのYシャツの場合、前立てボタンは10mm
カフスボタンにも10mmが使われている

袖の剣ボロ

シャツのなかには、着脱がしやすいよう剣ボロ仕様になっている商品もあります。剣ボロには、前立てやカフスよりも一回り小さい9mmか10mmのボタンを使います。

剣ボロにはカフスよりも一回り小さい9mmのボタンが使われている

ボタンダウン

ボタンダウンシャツとは、襟の先にボタンが付いたシャツのことです。ボタンダウンには「ボタン留め」という意味があり、襟の先端をボタンで固定するのが特徴です。ボタンダウンのボタンは、剣ボロと同様に前立てやカフスよりも一回り小さい9mmか10mmのボタンを使います。

ボタンダウンシャツのボタン
こちらのYシャツのボタンダウンには9mmが使われている
素材はポリエステルか貝ボタンが多い

余談ですが、シャツボタンの素材はポリエステルや貝ボタンが使われていることが多いです。ポリエステルボタンは、比較的耐久性に優れ染色もしやすく、家庭での取り扱いがしやすいためシャツボタンの定番です。天然素材の貝ボタンが使われていることもあります。貝特有の光沢感が美しいボタンで、高級感があります。

貝を使って作られた貝ボタン
貝ボタン(左)とポリエステルボタン(右)

ジャケット

ジャケット

フロントボタン

スーツなどのジャケットのフロントボタンのサイズは20mmが一般的です。カジュアル寄りのジャケットの場合はあえてボタンを大きくして、アクセントに使うこともあります。

ジャケットのフロントボタンは20mmが多い

袖・内ポケット

袖や内ポケットのボタンは15mmが一般的です。

ジャケットの袖のボタン
ジャケットの内ポケットのボタン

ちなみに現代のスーツの袖ボタンは開かず飾りとして付けられているものもあり、片方につき3つか4つ使われていることが多いです。ボタンの並べ方も2種類あり、冠婚葬祭などに使われ、ボタンを綺麗に並べて配置する「並べボタン」と、イタリアっぽい雰囲気でこだわりを感じさせる「重ねボタン」があります。

重ねボタン
素材は水牛の角、ナット(タグワ椰子の実)など

素材は樹脂製(ポリエステル・ユリア樹脂)の他に、水牛の角を原料とした水牛ボタン、タグワ椰子の実を原料としたナットボタンが高級ジャケットのボタンとして人気です。

水牛ボタン
ナットボタン

パンツ

フロント

スーツパンツやスラックスのフロントボタンは、15mmが一般的です。カジュアルなパンツの場合は、フロントボタンには18mmや20mmなど、大きめのボタンを使うこともあります。

パンツのフロントボタン

フロントのタックボタン

ジーンズのフロントボタンには、打ち込み式のタックボタンが使われていることが多いです。タックボタンをパンツのフロントに使う場合は、17mmサイズが一般的です。

ジーンズのフロントに使われているタックボタン

内掛けボタン

パンツのフロントの内側を見ると、ボタンが付いていることがあります。このボタンは内掛けボタンといい、14.5mmや15mmが使われています。内掛けボタンはサイズだけではなく形にも特徴があり、厚みが無くツルンとしていて糸道が凹んでいるものがよく使われています。これは、内側で肌にあたったときの不快感を軽減するためと、糸がすり切れてしまわないようにするためです。

パンツの内掛けボタン

コート・アウター

コート・アウターのボタンサイズはデザインによってもさまざまですが、23mmや25mmなど大きめのボタンを付けることが多いです。

アウター①
フロントには23mmのボタンが付いている
アウター②
小さめの21mmのボタンが付いている

力ボタン

力ボタン

表に大きいボタンを使うと生地に負荷が掛かってしまうため、裏側に力ボタンという補強用のボタンを付けます。力ボタンは8mmや9mmなど、10mm以下が使われています。コートやジャケットに使う裏足のボタン(特に金属や革ボタン)には、力ボタンを使うことが多いです。力ボタンについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しておりますので、ご覧ください。

力ボタンとは ~サイズは?代用できるの?徹底解説!~

まとめ

ボタンのサイズには目安がある!

いかがでしたでしょうか。ボタンは絶対にこのサイズでないと販売ができない、という決まりがあるわけではありませんが、日常的に服を着ているなかでボタンのサイズが服によってバラバラだと、着づらさを感じてしまいますよね。アイテムごとに、よく使われているボタンのサイズは目安が決まっているので、服づくりをされる際の参考にしてみてください。

ボタンのサイズ目安 アイテムごとの一覧

当社では、素材やサイズ、色などさまざまなボタンを取り扱っています。「たくさんのメーカーのなかからボタンを選びたい」「ボタン以外のアパレル資材もまとめて注文したい」「何を使えばよいのか分からないので、まずは相談がしたい」いうかたは、ぜひ当社のショールームへお越しください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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