こんにちは。 &CROP 編集部の小島です。
テープと一言で言っても、世の中にはいろいろあります。
皆さんは頭に何が浮かびますか? 私なら、まずセロハンテープ、マスキングテープ、ラッピングテープ、クラフトテープなど粘着タイプといったところでしょうか。
今回はそんなテープの中から、アパレル向けの機能テープと呼称されている商品を一から分かりやすく解説していきます!
そもそも機能テープってどんなもの?
ここでいう機能テープというのは、機能性があるアパレル資材テープのことを指しています。一番有名なところでは、消臭テープなどではないでしょうか?消臭系なら消臭袋などもあり、生ゴミやペット用などかなり一般的になりました。
実は機能性テープはそのほかにもいろいろ種類があるのです。
例えば、こちらもよく見かけると思いますが、リフレクター(再帰反射)テープです。こちらは反射するテープです、その他には、滑り止めタイプや静電気防止タイプ、ベンチレーション、シームテープなどがあります。※詳しくは、もくじ2で解説いたします。
これで少し、機能テープについてご理解いただけたのではないでしょうか?
機能テープの種類
種類は6種類あります。
- 消臭テープ
- リフレクターテープ
- 滑り止めテープ
- 静電気防止テープ
- ベンチレーションテープ
- シームテープ
では、それぞれの種類について深堀して行きます!
<消臭テープ>
消臭テープは字のごとく、ニオイを消す機能性テープになります。
基本的には、下記の4臭気の消臭効果がそれぞれあるタイプが一般的です。
- アンモニア 汗の中の刺激臭
- 酢酸(さくさん) 汗の中の酸っぱいニオイ
- イソ吉草酸(きっそうさん) 蒸れた足のニオイ
- ノネナール 加齢臭
なんか読んでいるだけで臭ってきそうです(笑)
消臭テープにはテープの種類(組織)もいろいろあって、織テープやストレッチテープ、ニットテープなど豊富にあります。
組成(素材)も綿100%やポリエステル100%など、2種類がありどちらも人気があります!
Fine Deoという商品は、消臭の他に吸水性や汚れが落ちやすい機能も付いています。
<リフレクターテープ>
アパレル資材のリフレクターテープは、再帰性反射のタイプになります。(リフレクターとは反射板の意)
ガラスビーズが付いている再帰性反射テープは、対象物に光を当てると、その光が光源に向かって再び帰ってくる反射現象のことです。ガラスビーズの色や土台の層の色によって、輝度数が異なります。よく見かけるのは、アルミ層の上にガラスビーズがあるシルバー色タイプで、一番輝度数が高いものになります。その他カラーには、蛍光色などで黄色やオレンジ色もありますが、輝度数はシルバー色よりも低くなりますので、ご留意ください。
近い類似テープには、畜光テープ、オーロラテープなどもあります。
<滑り止めテープ>
良く衣服で見かける滑り止めテープは、紳士スラックスの腰裏マーベルトといわれるウエストの内側の中心についている機能テープです。
滑り止めの部分の材質は、シリコーンが使われているテープが主流になっています。
その他には、帝人フロンティアのナノフロントという特殊の糸を使用して織られた滑り止めテープもあります。こちらもとても人気があります。
※ナノフロント https://www2.teijin-frontier.com/product/post/59/
<静電気防止テープ>
静電気防止テープは、摩擦軽減の効果が期待出来る機能テープです。
導電糸や除電機能糸を使用することによって、花粉、ホコリの付着軽減や不快なまとわり付き、着脱によるパチパチする静電気を逃がす効果があります。
また、よくある金属のドアノブで起こりやすい静電気を軽減します。
<ベンチレーションテープ>
皆さんは、このベンチレーションってワードはご存じでしたでしょうか?私は知りませんでしたので、解説します。汗(^^;
ベンチレーションというのは、換気、通気、通風、風通しの意味で、衣服の熱や蒸れを解消したり、逃がしたりする機能の事を指しています。車などでは、シートベンチレーションという名の機能が付いたシートがあるそうです。いずれにしても、通気口にパンチングの穴やメッシュ使いのものが多いのが特徴になります。
アパレルテープの種類としては、片側が開いてメッシュになっているタイプや、両側が開いて、閉じても通気性があるタイプなどがあります。
<シームテープ>
シームテープは、縫い目から水が浸入しないように貼られている防水テープの事です。防水透湿素材の縫い目の防水テープで、耐熱層には独自の高耐熱樹脂を薄膜化してあります。
主にテープの種類としては、2層、3層、プリント2.5層タイプがあります。海外品では1層タイプもありますが、工程上やや硬めのタイプが多いです。
2層テープの特徴:TPU+高い耐熱性PU生地の2層構成になってます。ソフトでしなやかな風合いが特徴です。特に市場で多く人気のあるのがこのタイプで、PUが透明フィルム層です。
3層テープの特徴:2層構成+トリコット生地やジャージ生地をプラスした3層の構成になってます。プラスした生地によりベタつきを解消、着心地をUPすることが期待出来ます! 但し、どちらも生地との相性があるので、事前にチェックして選定する必要があります。
どんなアイテムに使われているの?
さあ、次はそれぞれの機能テープがどんなアイテムに使われているのか、探っていきます。
<消臭テープ>
やはり汗をかくスポーツ系トップスへの使用が多いです。Tシャツ、ポロシャツなどです。その他にも、ワーキングの布帛シャツやアンダーTシャツなどにも使用されています。また帽子の内側などにも使われています。
<リフレクターテープ>
よく使われているのは、ワーキングのアウターやスポーツ系のアウター、ボトムス、シューズなどが多いです。
皆さんも、夜間の作業着などで使われているのは見たことがあったり、イメージしやすいのではないでしょうか?かなり目立つように使用されている場合も多いですし、さりげなく使われている場合もあります。
スポーツウエアでは、デザイン性で使用されることも多いですが、ランニングなど夜間使用も予め考慮されており、トップスからボトム、シューズまで意識的に仕様されているのを見受けることも多いです。
<滑り止めテープ>
主に、紳士スラックスの腰裏(マーベルト)やゴルフパンツの腰裏についているのが多いです。その為、女性の方はあまりご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、女性用でもベアトップ、オフショルダー、スカートなどに使われていることもあります。衣服のパーツの位置がズレないように、またゴム使いにしたくない企画(厚みを出したくない等)、仕様時に使われていたりします。
<静電防止テープ>
摩擦を引き寄せそうな生地のトップスやボトムなどに使われています。例えば水分率の低いポリエステル100%の生地などです。
歩行や動作などで体内に溜まった+の電子が悪さ(パチパチ音)をすると静電気が起やすい為、ワーキングウエアやゴルフウエアなど、身体を動かして摩擦やまとわりつきが起きそうなアイテムに使われています。
<ベンチレーションテープ>
雨や汗で蒸れてしまいそうなアウトドアのアウター、ボトムや、運動による熱や汗で蒸れてしまうスポーツ系のトップスやボトムアイテムに使われています。
追記として、テープ使いも多くありますが、メッシュ生地などを取り入れて部分的に切り替え仕様にしている場合もあります。さりげない箇所へ取り入れているベンチレーション使いも多いので、案外その存在自体を見落としているウエアもあるかもしれません。
<シームテープ>
最後にシームテープです。
防水性を望むアイテムとして、主にレインコート、アウトドアのアウター、スキーウエアなどに使われています。
防水機能や撥水加工を謳った生地などで差別化製品を作ったとしても、縫い目から水が浸入していては少し残念です。その他に、防水バッグ、防水シューズ等になります。
番外編ではテントの縫い目にも使われていたりします。テントで雨漏りや浸水はしてほしくないです。
効果的な使い方
では次に、それぞれの機能テープをどんな箇所にどんな風に使ったら効果的なのか、具体的に解説いたします!
<消臭テープ>
汗をかきやすい、衿まわりの衿伏せや、袖ぐり、脇下、股部分などです。
袖ぐりや脇下、股部分では、消臭機能以外に補強テープとしても同時に効果を期待することが可能で、一石二鳥なのです。
また機能とは別のプラスαで、衿伏せ使い箇所などには効果的なロゴプリントを入れることも出来るので、デザイン性UPが期待出来ます。
<リフレクターテープ>
胸ポケットのフラップの上位置や、背中身頃の上部部分へテープ付け、
またはトップスの衿後ろや脇裾にテープを輪にしてピスネーム風に付けるなどです。
パイピングテープタイプなら袖やボトムスの側章使いが効果的です。
<滑り止めテープ>
シャツが出てこない様にスラックスやスカートの腰裏中心位置、
ベアトップの胸上部の内側
オフショルダーの肩に掛かる部分の内側
<静電気防止テープ>
歩行や動作などで体内に溜まった+の電子が、摩擦を引き寄せ静電気をパチパチ発生させるので、トップスの袖口や裾、ポケット口などに使い、除電の効果を促します。
その他ではスカートの裾使いで、裏地などのまとわり付きを防止するなどです。
<ベンチレーションテープ>
アウターは肘、脇下、前中心、背中身頃の上部部分、
ボトムの膝、脇中心などです
機能+デザインのポイントにもなり、そして運動後にも爽やかな着心地が持続します。
<シームテープ>
使い方の効果を上げる大切なことは、シームテープ単体の捉え方ではなく、貼る相手の生地との相性が最も重要です。相手側にもPU膜があり、接着相性が良ければ良いほど馴染みがあり、しなやかな風合いや接着強度も出て、耐久性をUPすることが出来ます。
縫い目全般に使用することが出来るので、防水効果だけでなく縫い目の補強テープ、伸び止めテープとしても多少期待することが出来ます。
最もよく使われているのが、2層の透明フィルムタイプで厚みも薄いので、外側からも内側からもテープの存在を消しながら機能効果を発揮します。(海外製には1層の透明もあり)
有名なゴアテックス(GORE-TEX)生地を使用した場合などでも、縫い目からの浸水は防げないので、シームテープを貼りより一層の防水性効果を上げています。
アレンジとして、オリジナルプリントを入れることも可能なテープで、機能の他にデザイン性もプラスする事が出来ます!
まとめ
機能テープについていかがでしたか?
へえ~!そういうテープがあったのか、そういう風に使うのかなど、新たな発見がありましたでしょうか?
様々な機能のあるテープを知っていただき、それぞれの特徴をご理解いただけたら嬉しいです。
この機能テープから資材を選定して、より良い企画、デザインを考案してみてくださいませんか。それを今から楽しみにしております。