付属屋社長が製造現場を行く!シリーズの海外編です。
今回見てきたベトナムの転写マーク工場と貝ボタン工場の紹介します(2019年3月)。ベトナムは東南アジアでは縫製のハブになるような勢いです。私たちのお客様も中国から急激にこのベトナム生産にシフトしています。みなさまの洋服でもMade in Vietnumをよく見かけるようになっていませんか?そんな成長著しいベトナムからのレポートです。
バンコクからホーチミンシティに
今回の出張はタイのバンコクに一泊。バンコクからベトナムのホーチミンシティ(HCMC)に入りました。バンコクからHCMCまでは1時間半ほどのフライト。
定刻通り夕方5時半離陸しましたが、到着は40分ほど遅れ、8時前にHCMCへ到着。ホテルにチェックインできたのは9時。そこから食事に出ました。
食事をホテルに戻る頃は11時過ぎていましたが、路上にテーブルを出して食事をする人たちがたくさんいました。空港の人の多さといい、夜中に路上で食事をする多くの人といい、活気のある街だなと感じました。
ホテルにビックリ!
ホテルの部屋に帰り、カーテンを開けるとビックリ!なんとそこは壁でした。窓なしの部屋だったのです。過去にも上海、香港で窓のない部屋に泊まったことがありました。しかし、朝だか夜だかわからないのが嫌だったので、ロビーに行って部屋を窓のある部屋に替えてもらいました。ところがこの部屋の交換が吉だったのかどうかは微妙な感じに・・・でも、再度交換してもらうのも面倒だったのでここで寝ることに。
何が微妙だったのかというと、窓があるにはあったのですが、横が工事現場だったのです!しかも、夜中でもゴトゴトガタガタ工事をしていてうるさいのなんのって。耳栓をして寝ました。朝も早くから工事をしていて、働き者だなあとある意味感心。
HCMCの活気
ホテルの窓から横を見ると大きな高層ビルが見えます。このように今、HCMCは古いビルを壊して新しい斬新なビルにどんどん建て替わっています。なので工事中なところが多いのです。
高層ビルや高層マンション、本当に発展著しいです。交通はバイク中心ですが車も確実に増えています。しかもベンツ、ポルシェなどの高級車が増えています。
路上でコーヒーを飲んだり、バラックの建物だったり発展していない部分と一気に近代化した部分との混在しているところに面白さを感じます。そして熱気と活気をものすごく感じます。
製造現場へ
転写マーク工場
そんな活気溢れるHCMCから車で1時間半ほど走ったところにある転写マークの工場を訪問しました。転写マークはちょうど日本で製造現場を見てきたばかりなので比較しやすい。日本の転写マークのお話はこちらから。今回見た転写マークの工場は台湾系の会社でした。
工場は平屋建ての天井の低い体育館のような広いスペースにシルクスクリーン印刷するためのテーブルがズラッと並んでいます。日本では印刷工程は機械でやっていたのに比べるとかなりアナログで手作業が多いという印象です。
検品も手作業で行なっていました。日本も手作業検品もありますが、多くはカメラで撮影して自動検品を行なっていて品質管理の部分ではやはり日本の方が上です。人件費の安さから転写マークの単価は安いです。日本は人件費の高さをカバーするために機械化が進み、ベトナムはその逆という感じです。
貝ボタン工場
続いて訪れたのは貝ボタンの工場。空港近くの路地を入ったところにありました。外から見るとこんなところに工場があるのという外観でしたが、中に入るとボタンを切削する機械が何台も動いていました。
こちらの工場も作っているボタンはクオリティのいいものですが、工場内の管理というと日本のボタンメーカーと違い乱雑な部分も多い。日本のボタンメーカーは工場内にボタンが一つも落ちていない綺麗さですから。検品は日本との同じように目視で行なっていました。
どちらの工場も製品自体は問題なさそうですが、管理面では日本のメーカーには遠く及ばないというのが正直なところです。まだこれからなのでしょう。一方で、コストメリットはありそうです。また、最低ロットは言ってはいませんでしたが、欧米向けの仕事をしている工場なので大きい数量を期待しているでしょう。小ロットのオーダーだけではやってくれなくなるのは目に見えています。
今回ベトナムを訪問し、上記2工場以外にも何件かの副資材工場を訪問しました。今回訪問した工場では品質、管理、ロットに関して、当社が出す仕事では難しいというのが正直なところです。これから品質、管理面では発展していき日本向け製品に合うものにもなってくると思われますが、ロットに関して克服していくには日本の仕事だけでは難しいところがありそうです。縫製の部分でも、日本の小ロット、高品質のオーダーはなかなか受け入れてもらえない現状があります。単に低価格を求めるだけではない発注をしていく必要があります。
ベトナムは活気があり、とても魅力的な国であり、市場であります。一方で日本のアパレルの生産を受け入れてくれる工場が今後どれだけあるのか。これは私たち提供する副資材の調達も含めて課題であると感じました。付属屋社長が製造現場を行くシリーズ、初の海外編はこの辺りで終わりにします!
お問い合わせはこちらから。
お問い合わせ