くるみバックルとは

くるみバックルとは

名称(日本語/英語)

くるみバックル(ばっくる) / covered-buckle

カテゴリ副資材
種類大カテゴリ(バックル)

概要

くるみバックルとは(ばっくる/英語名・・・covered -buckle)とは、金属製の土台となるバックルを生地で覆ったものを指します。木の実の「胡桃」で出来ているわけではなく生地で包んでいるので「くるみバックル」と呼びます。

成り立ち

バックルの成り立ちは古代ギリシアでは、甲冑・靴・革ゲートルに既に金属製の留め具が用いられ、中世でも盛んに用いられていました。ベルトのバックルは男子のズボンに15世紀から、婦人服には19世紀から使用されており歴史の深さを感じます。19世紀ごろからはデザイン性を高める為に、バッグの装飾に使われるようになりました。
くるみバックルの成り立ちは不明ですが、くるみバックルの土台はドイツの「ASTOR(アスター)社」の製品で代理店を通して日本に入ってきます。

裏面には「ASTOR」のロゴが入っている

用途

用途はバックルと同じでパンツのベルトやコートのベルト、ベストなどのサイズの調整や留め具として用いられます。また、アイテムのデザインのアクセントとして使用されることもあります。

ドレスのウエストベルトに付いているくるみバックル
ドレスのウエストベルトに付いているくるみバックル

魅力

差異性

定番の金属のバックルよりも、生地で包むことによりデザイン性もオリジナル性も出せます。使うアイテムと同生地で包めばアイテムとの一体感も生まれます。差異性を求める方にオススメです。

特徴

種類が豊富

あまり知られていませんが、実はくるみバックルは種類が豊富なのです!種類によりますがサイズも小さいものでは10㎜。大きいものでは110㎜があります。(最近は廃番商品もふえてきている)

名前が独特

くるみバックルのサンプル帳を見ていると気付く事があります。それはバックルの種類の名前が都市や川から付けられているのです。ドイツにあるASTOR社の製品なので、ヨーロッパにちなんだものが多いそうです。

代表的なくるみバックルの種類

代表的なくるみバックルの種類3つ

  1. ロイレ
  2. ドナウ
  3. コロラド
  4. チグリス

1.ロイレ

シンプルで小さめな長方形のバックルです。レディースの細めのベルトに使われることが多いです。

2.ドナウ

ロイレよりも大きな長方形のバックルです。中の線が1本と2本のものがあります。

3.コロラド

太めのテープが入る大型のバックルです。コートのベルト等に多く見られます。

4.チグリス

円形型のバックルです。レディースのベルトやデザインのワンポイントとして使われます。

 

代表的な資材メーカー

  • 『ASTOR』

ASTOR社

ASTOR社のHP

 

メーカー名

ASTOR社

URLhttps://www.astor-berning.de/

ファションや室内装飾向けのカバーボタン・バックル・ベルト・バッジを販売する国際的なドイツのメーカーです。

取り扱い上の注意点

土台となる部分はアルミを使用しているので、ほとんどは検針機対応ですが、サイズの大きいものは非検針になりますのでご注意下さい。また、ピン付きを選んだ場合はピンのメッキによって検針機に反応する場合があります。非検針のものを使用する場合は検品作業時にX線検査やハンド検針機検査などになり検査代が上がります。

選定ポイント

付けるアイテムによって種類を決めます。サイズや形が豊富ですので、用途に合ったものをお選び下さい。

資材発注時の注意とポイント

土台になる部分はドイツのASTOR社から日本の代理店を通して日本に輸入されます。が以前に比べて、輸入の頻度はへってきているようです。よく出る形は在庫を積んでいる可能性はありますが、変わった形はサンプルの時には日本に在庫のあったものですぐに作成できても、いざ量産となった時には土台手配で1カ月待ちになってしまうこともあります。量産を見越して予め輸入背景などを確認しておくとよいでしょう。

使用する生地は作るアイテムのサイズの約3倍の面積が必要と言われております。必要生地数は予め加工工場へ確認し、不足の無いように渡しましょう。生地はカットせずに繋がった状態でお渡しするのが望ましいです。また、生地を渡す際は裏表が分かるように記載しましょう。このひと手間で工場さんはスムーズに作業に入れます。

生地の厚さによってくるみきれずにパンクしてしまう場合もあります、必ずサンプル作成をしてから量産に入りましょう。

生地の柄に合わせて加工もできます。その際は「柄取り加工」賃としてプラス料金がかかります。

納期は数にもよりますが量産の場合、くるむ加工で1~2週間かかりますので余裕をもって発注をしましょう。

商品にもよりますが、バックルの「ピン付き」か「ピン無し」を指定しましょう。コートのベルト用で使用しようと思っていたのに、ピンが付いていないまま入荷してしまったら、また戻してピンを付けて貰うことになるので、タイムロスが発生します。「ピン付き」と「ピン無し」で単価も変わりますのでご注意下さい。

上記の取り扱い上の注意点でも述べましたが、土台・ピンともに検針機対応か否かを確認して発注しましょう。

まとめ

くるみバックルのサンプル帳を見たときに種類の名前が面白くて衝撃をうけた記憶があります。遊び心とセンスがあって素敵ですよね。バックルは機能的にはもちろんのこと、デザインとしてもとても大切な役目を果たしているパーツです。オリジナル性を求めている方にはぜひおすすめしたい資材です!

参考文献

  • ASTOR Bucklesサンプル帳

参考URL