もくじ
スレーキとは
名称(日本語/英語) | スレーキ/ 英語名・・・ SLEEK(読み方:スリーク) |
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カテゴリ | 副資材 |
種類 | 大カテゴリ(スレーキ) |
種類
スレーキは大きく分けて5種類あります。
概要
ジーンズのフロントポケットの袋地や紳士服のスラックスの腰裏や裏地に使われるすべりの良い薄手の綾織物のことです。スレーキは「袋布」とも言われ、「シレジア」とも言います。
無地やストライプが多く、薄地の綿織物で細綾の一種です。厚く糊付けして、シュライナー加工(高温と強圧を加え絹のような光沢を与える加工)という光沢仕上げをしている生地を指しています。元来、ジーンズ用語ではフロントポケットのみをスレキと指します。
現代では、元々の綿綾織物に限らず、化合繊のものや、平織り、起毛など多種類の規格が増えています。
語源
滑らかな、光沢のあるという意味を持つ、英語名のスリーク(SLEEK)から来ていると言われています。
成り立ち
スレーキは、現ポーランドのシレジア地方で最初に織られたとされています。スレーキがシレジアとも呼ばれるのは、その生産地から由来しています。シレジア地方は、昔から石炭の産出地で炭鉱業を中心に成長した大都市で、炭鉱業の作業着であるジーンズのフロントポケットの袋地としてスレーキが多く使われました。その流れからジーンズのパーツであった固有名詞がそのまま生地名になったとされています。
現在では、ジーンズのフロントポケットに限らず、紳士服の裏地や腰裏にも多く使われるようになっています。
用途
ジーンズのフロントポケットの袋地(その他に、紳士スラックス、カジュアルスラックスの袋地や、腰裏マーベルト、カジュアルジャケットの背裏、裏地等
ジーンズのフロントポケット用では、無地の綾織りタイプが一般的に使われています。紳士のスラックスやスポーツ系のカジュアル向けには、綿の綾織りに限らずポリエステル糸の入った混紡糸のスレーキも好まれます。また、腰裏のスレーキとして使用する場合には、柄物スレーキ(縞スレーキ)が使われることも多く、製品の差別化を図ります。
魅力
スレーキの魅力は、何といってもその光沢や滑りです。高級なスレーキは特に見た目や滑りが違います。厚く糊付けして、シュライナー加工(高温と強圧を加え絹のような光沢を与える加工)という光沢仕上げをしています。
現代では、無地の他にもへリンボーン柄や、高級縞スレーキなど種類も多数存在し、袋布に限らず、腰裏や裏地など用途の幅が広がって来ています。
特徴
スレーキを使用する事で表地を使うよりリーズナブルになり、コストメリットがあります。また本来の袋地の役目と特徴して、滑りが良いことが挙げられます。
綾織りのスレーキなら風合いも柔らかく、ポケットに手を入れた時に馴染みも良いです。平織のスレーキなら糸の交差が多いことで、やや張りのあるものになりやすいが、綾織りに比べると耐久性にも富む場合が多いです。
デメリットは、天然綿糸使用の織物の場合、どうしても染ロットによってロット毎の色ブレが発生します。合繊とは違い、天然綿糸はキバタのロットによって、初めからそれぞれ原糸が異なります。綿糸には個体差があるからです。
その為、特にベージュ色やグレー色は、染め上がりの再現性が非常に難しく、無理だと言われています。
代表的なスレーキ
一般的なポケット用のスレーキのことで、綿100%が主流です。平織に比べて光沢があり、柔らかな風合いがあります。経糸や緯糸の太さを変えたり、密度を変えたりすることが可能で、また糸の飛ばし方で色々な角度の綾織が表現出来ます。例;1号スレーキ、4号スレーキ、厚織スレーキ等。
表面を引っ搔いて起毛させた生地で、冬物の衣料ポケットに使われます。
片面のみ起毛いるスレーキになります。
素材としては、ポリエステル100%のトリコット裏地、ポリエステルとレーヨンの混紡糸を使用したTRフラノスレーキなどが一般的です。
フラノ生地と見た目が似ているため、フラノスレーキと名称されています。
起毛効果で暖かく、柔らかい肌触りで、今ではやや高価なスレーキとなっています。
高級スラックスの腰裏として使用されるのが、この縞スレーキになります。
縞とは、織り柄のひとつで、2種以上の色糸を用いて織物の経(たて)または緯(よこ)、あるいは経緯に種々の筋(線)を表したストライプのことを指します。
元来、縞織物は高級舶来品だったものが日本に入って来たため、ストライプ模様の織物=高級品と位置付けされ、縞スレーキと名称が付けられました。
代表的な資材メーカー
- 東海テキスタイル https://www.tokaitex.jp/
- 植山テキスタイル https://www.ueyama.net/
取り扱い上の注意
綿100%の組成のスレーキの場合は、よくある色落ち(濃色)、湿摩擦堅牢度(濃色)、洗濯溶剤による脆化などがあります。濡れたまま放置したりすると色泣きになる可能性があります。一般的な綿素材における注意が必要です。
選定ポイント
レディース系のカジュアルパンツ等では、4号スレーキ(綿薄手の綾織り)を選定するのが一般的です。
メンズ系のカジュアルパンツ、ジーンズ向けに使用する場合は、4号より少し厚手の厚綾織スレーキが良いでしょう。
冬物向け重衣料では、起毛フラノスレーキもお勧めです。片面起毛で肌触りが良く、暖かい感じも人気の要因になってます。
高級感を出したい時の腰裏用(マーベルト向け)スレーキには、縞スレーキが人気商品になります。柄によるオリジナル感、差別化商品を打ち出すことが可能です。
おすすめ資材提案
マーベルト
縞スレーキを使用してマーベルトを作成するのはいかがでしょうか?
見えない腰裏にもオシャレを演出することが出来ます☆ いろんな縞スレーキ柄があるので、オリジナル感も出すことが可能です。
プリントスレーキ
オリジナルプリント加工で別注のスレーキを作成するのはいかがでしょうか?
ブランドロゴやオリジナルの絵柄をプリントすると、目にする度に気分がUPします。
まとめ
スレーキは目立たない資材でありますが、必ずボトムファッションには使われている生地です。綿無地タイプの綾織りが一般的ですが、実はいろいろ種類があることが分かっていただけたのではないでしょうか。
使用する箇所や予算、季節によって、いろんな種類の中からお好みのスレーキを選んでみてください。
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参考文献:
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公開日:2023年7月26日
更新日:
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