金属バックルとは

金属バックルとは

 

名称(日本語/英語)

金属バックル(きんぞくばっくる) /metal buckle

カテゴリ副資材
種類大カテゴリ(バックル)

概要

金属バックルとは(きんぞくばっくる/英語名・・・metal buckle)とは、パンツのベルトやコートのベルト、ベスト、腕時計、鞄などを締める際に用いられる留め具の事を言います。日本語では尾錠(びじょう)とも呼ばれます。

成り立ち

古代ギリシアでは、甲冑・靴・革ゲートルに既に金属製の留め具が見られ、中世でも盛んに用いられていました。ベルトのバックルは男子のズボンに15世紀から、婦人服には19世紀から使用されており歴史の深さを感じます。またこの頃からはデザイン性を高める為に、バッグの装飾にも使われるようになりました。

用途

パンツや腕時計のサイズ調整をしたり、鞄の口を閉じる役割、またリュックサックがずり落ちてこないようにチェストベルトとして使用したりもします。宝飾のあるものはデザインとして使用することもあります。

魅力・特徴

金属バックルの最大の魅力は樹脂製には出せない高級感になります。ハイブランドでは、ブランド名の頭文字のアルファベットを型取ったオリジナルバックルをよく見かけます。ニッケルシルバーやゴールドなどの艶有りのメッキを施すとその製品にラグジュアリー感を演出でき、またアンティークなど古びメッキをかけることでトラディショナルやカジュアル感も出せます。黒ニッケルやマットの塗装などにするとモノトーンでシックな表情を見せることが可能です。金属製ならではの強度も魅力で、樹脂製や天然材料では出せない堅牢さも特徴的です。

代表的な金属バックルの種類

代表的な金属バックルの種類5つ

  1. トレンチバックル
  2. 山型送り(六角)
  3. 帆型バックル
  4. GIバックル
  5. ウエスタンバックル

1.トレンチバックル

シンプルで定番の四角いバックルです。トレンチコートのベルトに付いているバックルを思い浮かべてみるとイメージし易いです。

トレンチバックル
トレンチバックル

2.山型送り(六角)

ベストの背面にサイズ調整として付いている事が多いです。真ん中の線が1本固定のものを「山型送り」といい、2本とも動くものが「新山型送り」といいます。六角とも言われており、見た通り六角形をしたバックルです。

新山型送りと山型送り

3.帆型バックル

帆を張ったような形(アルファベットのDのような形)のバックル。レディースのベルト等に多く見られます。

帆の形をしたバックル
帆型バックル

4.GIバックル

二本コキとも呼ばれ、二本線があるので、サイズ調整する物に使われることが多いです。リュックサックの紐の長さ調整やカーゴパンツ等ミリタリー風のアパレルのウエストベルトの調整にも使われています。また、ガチャベルトに使用するローラーバックルもGIバックルと呼ばれたりもします。

GIバックル(ローラーバックルとも呼ばれている)

5.ウエスタンバックル

西部劇に出てきそうなデザインのデザイン性の高いバックルです。

ウエスタンバックル

代表的な資材メーカー

  • 『モリトジャパン株式会社』
  • 『ゴンドラ商事株式会社』
  • 『株式会社東美(TOHBI)』

モリトジャパン株式会社

モリトのホームページトップ画面
※モリトジャパン株式会社ホームページ

メーカー名

モリトジャパン株式会社

URLhttp://www.morito.co.jp/

モリトジャパン株式会社とは、アパレルから自動車まで、幅広い分野に多種多様なパーツを供給するパーツの総合商社です。

ゴンドラ商事株式会社

ゴンドラ商事ホームページ
※ゴンドラ商事株式会社ホームページ

メーカー名

ゴンドラ商事株式会社

URLhttp://www.gondola.co.jp/

ゴンドラ商事株式会社とは、ファッションパーツを中心とした総合的な服飾付属品の専門商社です。

株式会社東美

※株式会社東美のホームページ

メーカー名

株式会社東美

URL

https://www.tohbi-bijour.com/

株式会社東美とは、ファッション業界を中心に金具・金属パーツ(亜鉛ダイカスト製品)を製造販売している会社です。

取り扱い上の注意点

検針・非検針に注意

金属バックルはサイズの大きいものは非検針になりますのでご注意下さい。非検針のものを使用する場合は検品作業時にX線検査やハンド検針機検査などでの検査が必要となることもあり検査代が上がる可能性もあります。

変色に注意

様々な要因で金属が変色する恐れがありますので注意が必要です。

変色の要因(バックルに限らず金属資材に共通する)

温度

基本的に、金属のメッキは高温の状態が得意ではありません。

・高温のスチームや高温のプレスがあたってしまった

・保管している倉庫が高温

・海外で生産されて船などで輸送中のコンテナ内が高温

湿度

同じく高湿度の状態に置いておくことも変色に関係があると言われています。

・金属付属やそれが使われている製品を濡れたまま長時間放置する

・また水分を含んだ状態で袋詰めされて密閉されている

溶剤

色々な後処理に使用される溶剤と化学反応を起こして変色することもあります。

・ウール系素材の洗浄溶剤の残留物と化学反応を起こす

・汚れ落としの溶剤と化学反応起こす

空気中の成分

保管や縫製場所の空気中の成分が特殊な条件な場合に反応することもあります。

・例えばその場所の付近に農場などがあり、動物性の肥料をしていると空気中のアンモニア濃度が高まり化学反応を起こす

選定ポイント

 

どこに付けるか、何に付けるかによってバックルの種類を決めます。またサイズや形が豊富ですので、用途に合ったものをお選び下さい。カラー展開も豊富でシルバー・黒ニッケル・アンティークゴールド・アンティークシルバー・ゴールドの他に、シルバー消し・黒ニッケル消し・ゴールド消し等、艶を消したタイプもありアイテムによって合うものをお選びいただけます。

豊富な色展開

資材発注時の注意とポイント

商品にもよりますが、バックルの「ピン付き」か「ピン無し」を指定しましょう。コートのベルト用で使用しようと思っていたのに、ピンが付いていないまま入荷してしまったら、また戻してピンを付けて貰うことになるので、タイムロスが発生します。「ピン付き」と「ピン無し」で単価も変わりますのでご注意下さい。

バックルのピン

クリアー塗装(加工)の有無の確認、上記で変色の要因について触れましたが、金属の上にクリアー塗装をすることによりメッキの変色や酸化による錆を軽減することができます。クリアー塗装代と加工納期がプラスでかかるのでご注意下さい。
※クリアー塗装剤を吹き付けて、クリアー塗装を両面行います。

上記の取り扱い上の注意点でも述べましたが、検針機対応か否かを確認して発注しましょう。

縫製工場へデリバリーする際のポイント

金属製のバックルは、輸送中に動いて傷が付いてしまうこともあります。金属にカラー塗装を施した塗装バックルの場合は特に注意が必要です。バックル同士がぶつかると塗装が剥げてしまうなんてことも。梱包する時は動かないように緩衝材を詰めるなどし、バックルを紙で巻いて梱包しましょう。 

塗装が剥がれたバックル
塗装が剥がれたバックル

まとめ

バックルはサイズ調整などの機能的にはもちろんのこと、デザインとしてもとても大切な役目を果たしているパーツです。注意事項に気を付けて正しい使用をしてください。金属以外にもプラスチックバックルや革巻きバックルなどもありますので、詳しくは「バックルとは」をご覧ください。

参考文献

  • MORITO サンプル帳
  • TOHBI サンンプル長帳
  • 幸徳釦 サンプル帳
  • ゴンドラ商事 サンプル帳