もくじ
ハトメとは
名称(日本語/英語) |
ハトメ(はとめ) / eyelet |
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カテゴリ | 副資材 |
種類 | 大カテゴリ(ハトメ) |
概要
ハトメ(はとめ/英語名・・・eyelet)とは、生地や紙等に紐等を通す穴を空けた際、穴が切れたり、広がったりしないように補強する金属やプラスチックのリング状の資材です。
形が鳩の目に似ていることから鳩目(ハトメ)と呼ばれています。(諸説あり)
ハトメは穴を補強する「本体」(アイレット)と抑えのために裏面にあてる「座金」(ワッシャー)という2つのパーツから成り立っています。
・大きいサイズのものをグロメット(英語名:grommet)といい、小さいサイズのものをハトメ(アイレット)と呼びます。グロメットは電子・電気など衣類以外で使用する事が多くゴム製のものもあります。
用途
パーカーのフードやパンツのウエスト、靴の紐を通す穴の部分の補強するために使われます。ベルトのウエスト調整の穴の部分にも使用することが多いです。
また、洗濯可能なダウンや水着やサーフパンツを洗濯した際に中に水が残らないようポケットなどに付けて水抜きの役目として使用したり、
衣服に熱がこもってしまわないように熱を抜く通気孔として脇の下や手首周りに付けたりすることもあります。
衣類の他にもカバンのストラップ部分やタオルのループ、カーテンループ、テントやシートなど様々なものに使われています。
魅力
サイズとカラーが豊富
洋服に使われるものでは、小さいものは内径3.4㎜、大きいものは内径15.7㎜まであります。
カラーもニッケル、ブラックニッケル、アンティークゴールドといったベーシックなカラーからゴールドや白金、マットブラック、ニッケル消しや塗装カラーもできます。
用途によってサイズやカラーを選ぶことができます。
特徴
以前はポンチ(生地に穴をあける道具)などで生地に穴を開けてから打ち込むことが一般的でしたが、今のハトメは生地に穴を開けずに直接打ち付けることができます。
代表的なハトメの種類
代表的なハトメの種類3つ
- 定番品(モリトのSEシリーズ・YKKスナップファスナーのアイレット)
- フラットハトメ
- メッシュアイレット
1.定番品(モリトのSEシリーズ/YKKスナップファスナーのアイレット)
本体のリング部分が丸みを帯びているハトメです。パーカーやボトムスに多く使われています。
2.フラットハトメ
体のリング部分が平らになっているハトメです。丸みが邪魔になってしまうデザインのものに使用します。
3.メッシュアイレット
通常本体の穴の開いている部分が網目状になっているハトメです。紐は通らないタイプなので、通気孔として使用することが多いです。
代表的な資材メーカー
- 『モリトジャパン株式会社』
- 「YKKスナップファスナー株式会社」
- 『ゴンドラ商事株式会社」
モリトジャパン株式会社
メーカー名 |
モリトジャパン株式会社 |
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URL | http://www.morito.co.jp/ |
モリトジャパン株式会社とは、アパレルから自動車まで、幅広い分野に多種多様なパーツを供給するパーツの総合商社です。
YKKスナップファスナー株式会社
メーカー名 |
YKKスナップファスナー株式会社 |
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URL | https://www.ykksnap.co.jp/ |
YKKスナップファスナー株式会社(以下YKK SF社)は、YKKの子会社です。YKKと聞くとファスナーのイメージが強いかと思いますが、スナップボタン、タックボタン、リベット等の服飾資材の製造販売をしているメーカーです。
ゴンドラ商事株式会社
メーカー名 |
ゴンドラ商事株式会社 |
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URL | http://www.gondola.co.jp/ |
ゴンドラ商事株式会社とは、ファッションパーツを中心とした総合的な服飾付属品の専門商社です。
取り扱い上の注意点
・取り付ける生地が薄い場合、強度が足りなかったり、ハトメが浮いてしまったりして、ハトメが抜け落ちてしまう可能性があります。その場合、人為的に厚みを持たせるパッキンを使います。それぞれのハトメにあったサイズのパッキンがありますので、サイズを確認して使用してください。
・取り付ける生地が厚い場合、ハトメの上下がはまらない、はまってもはまりは弱く、使用中に取れてしまう可能性があります。量産に入る前に試し打ちをするなどチェックしてください。
・小さいサイズは検針機対応ですが、サイズが大きくなると非検針になります。非検針のものを使用する場合は、検品作業時にX線検査やハンド検針機検査などが必要になります。検査代が上がりますので、非検針のものを使用する際は事前に縫製工場などとの打ち合わせが必要です。
ハトメの選定ポイント
使用するものにあったサイズを選びましょう。バランスが悪いと見栄えも悪くなってしまいます。
資材発注時の注意とポイント
ハトメ発注時の注意とポイントは2つ
-
最低ロットを確認する
-
専用の打ち機が必要な場合は工場に前もって確認する
以下、それぞれの注意とポイントです。
発注時の注意とポイント1.最低ロットを確認する
ハトメは100set単位が最低ロットのものが多く、種類によっては2000set単位のものもあるので、サンプル時に確認してください。
発注時の注意とポイント2.専用の打ち機が必要な場合は工場に前もって確認する
ハトメを取り付けるには専用の打ち機と駒が必要になります。縫製する工場が決まっている場合、工場にある打ち機の種類を必ず確認するようにしてください。
YKK SF社の打ち機の場合、駒の挿入部に互換性がないのでモリト社製や他海外製のハトメを打つことはできません。反対も同様です。
そのため、初めての縫製工場の場合は特に、必ず打ち機の有無、種類を確認し、対応しているハトメを発注するようにしてください(YKK SF社の場合、打ち機の登録のない工場へ出荷はできません)。
駒もメーカーの専用のものを使用してください。
縫製工場へデリバリーする際のポイント
縫製工場へデリバリーする際のポイントは2つ
-
アイレットとワッシャーは分けておく
-
ロスを見込んで発注する
縫製工場へデリバリーする際のポイント1.アイレットとワッシャーは分けておく
アイレットとワッシャー、パッキンはそれぞれのパーツが混ざらないように分けて渡すと工場でも取り付けの作業がしやすいです。ほとんどの場合はパーツ毎にパックされているが、サンプル時やバラでデリバリーする際は注意しましょう。
縫製工場へデリバリーする際のポイント2.ロスを見込んで発注する
前カンは細かいパーツなので紛失の可能性も考え、少しロスを多めに入れておくことをおすすめします。
おすすめ資材
「合わせ小判ハトメ」
小判のように楕円形をしたハトメです。デザイン性があるので差別化を図りたい時や幅広のテープを通す時にオススメです。
「プラスチックハトメ」
樹脂製でできており、専用器具がなくてもワンタッチで取り付けが可能です。手軽に裁縫やDIYをしたい時にオススメです。金属のハトメに比べて強度がないのでご注意下さい。
「ナットアイレット」
本体が六角形でナットのような形状をしているハトメです。デザイン性があるので差別化を図りたい時にオススメです。
まとめ
実はよく目にしていたもの
スニーカーやパーカーなどで普段から何度も目にしていますが、意外と名前や種類は知られていないハトメ。
ハトメのカラーやサイズによって洋服の印象はかなり変わってきます。サンプル帳をご覧になって是非お気に入りのものを見つけてください!
参考文献
- モリトサンプル帳
- YKKスナップファスナーサンプル帳
- ゴンドラ商事サンプル帳